もう1つのテレポーテーションとまさかの融合
投稿時点で遂にアルテミス計画フェース1が後半戦に差し掛かり、順調にいけば12月11日に地球に帰還予定です。
大体月の距離が40万kmで大体3週間ぐらいかけて月を1週してもどってくるルートです。
その先の目標である火星への距離は約7500万kmで、月の200倍近い距離となります。いかに宇宙空間が広大なのかを感じさせてくれますね。
ドラえもんの「どこでもドア」のように何とか早く行ける方法はないのか?
とフリを入れると、今年話題になった「量子もつれによるテレポーテーション」を想像する人もいるのではないでしょうか?
実際通信の世界では基礎研究が進められているのは過去にも触れました。
これは、量子力学の原理を使ったものですが、その双璧をなす「一般相対性理論」でも同じようなテレポーテーション案が提示されています。
「ワームホール」と呼ばれます。SFで聞いたことがある方も多いかもしれませんが、学術的に真剣に議論されてきた存在です。
い一般相対性理論とは、時空は重力に応じてぐにゃぐにゃ曲がる時空モデルです。
ということは、2つの離れた場所で、空間を折り紙の如く折り曲げてくっつけてしまえ、というアイデアです。
最近の研究成果で、この「量子テレポーテーション」と「ワームホール」が関連しているかもしれない、という野心的な説が発表されました。
ようは、
量子もつれ現象を通じて、ワームホールの仕組みに近い回路をコンピュータで表現することに成功した、
という話です。
ちょっと話をややこしくしているのが、今回使ったコンピュータがGoogleが開発した量子コンピュータです。
量子超越性を初めて実現したことで話題になったコンピュータです。
ただ、今回の論点はあくまで「量子もつれ」と「ワームホール」の関連性を見出したことにあります。(ややこしいのが、量子コンピュータだからこそ今回の実験がうまくいった、という主張もあります。一旦割愛)
みようによっては、量子力学と一般相対性理論の二大理論の架け橋ともいえますが、実際その通りです。
もっといえば、この研究はその架け橋と期待されている「ホログラフィー原理」を前提して設計されています。以前にちょー軽く紹介したので引用にとどめておきます。(とても衝撃な理論である一方で超難解ですので要注意)
そしてこの実験の結果として、重力理論が予想されるワームホールの性質を確認した、という言い方の方が正しいです。(ただ、こう書くとチンプンカンです。。。)
今回の研究成果をどこに置くのかがちょっと見えにくいですが(個人的には量子コンピュータのアピールに見えます・・・)、手法はともあれワームホールに久しぶりにスポットライトが当たったのがうれしいです。
というのも、量子テレポーテーションは実用化が期待されている一方で、ワームホールは理論だけが空回りしている印象を受けていたからです。
これらの包含した理論が進化して、22世紀(ドラえもんが来た未来)までに「どこでもドア」が実現するかもしれませんね。
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