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半年で100年の成果!AI革命が赤裸々にするナスカの地上絵

科学技術がもたらした革命には、人文科学も含まれており、特に後者においては考古学の分野が目立ちます。関連投稿を貼っておきます。

そのなかでも有名な「ナスカの地上絵」で、AI革命の真っただ中です。こちらも過去記事を貼っておきます。

上記記事を書いた後に、さらに素晴らしい発見がありましたので今回は続報です。記事を紹介します。(元論文はこちら

前回の確認ですが、地上絵は20世紀から発見が相次ぎ、100年間で430個ほど発見しました。その功績は航空機の発明です。これは分かり易いですね。

そして21世紀の現在、2022年9月から2023年2月というわずか半年で、100年の総計に近い303点の地上絵を新たに発見しました。

功労者はいわずもがな今回もAIですが、それを開発した研究者たちの情熱も相当なものです。山形大学の考古学グループと日本IBMのAIチームがタッグを組んで実現しました。

上記記事より303点の一部を貼っておきます。

上記記事内の図

ナスカの地上絵は最大数百メートルにも及ぶものもありますが、巨大なものは20世紀に飛行機撮影写真を人の目で発見されつくされました。

今回は、同じ写真をAIで解析して、人の眼力では見極められない動物や人物が描かれた絵を洗い出すことに成功します。それを考古学者が最終レビューをして特定するという協働作業です。AIと共生するモデルケースですね。

手法はAIのなかでもはやデファクトとも呼ばる「深層学習(ディープラーニング)」です。地理空間分析で汎用的に使えるので、その用途を紹介した日本IBMのサイトを1つだけ載せておきます。こちらです。

地上絵は大きく、巨大な幾何学模様と小規模な何かをモチーフにした比喩的な絵に分類されます。細かい分類は元論文がお勧めです。(下図)

論文内の図

後者には奇天烈な描写もあり、過去に地球にやってきた宇宙人を描いたのではないか?という説もささやかれました。それを支える証拠は現時点でも見つかっていません。(逆に100%否定する材料もありませんが)
上に貼った今回の新しい絵にも、どうみても人間というより・・・というものもありますね。

さて、気になるのが今回の絵から分かったことです。

残念ながら常識を覆すほどはないですが、特定の場所にネットワーク的に点在しており、それぞれのコミュニティがあったのではないか?と考えられているようです。発掘場所も巨大な地上絵を見下ろせるところなので、その絵からインスピレーションを得たのかもしれませんね。

このあたりはAIだけでなく文理混ぜた総合的な知見が必要です。幸いなことに、今回の研究チームの関係者が新書も出しているので、どこかで読んでみたいと思います。

関係者の皆様、素晴らしい発見本当におめでとうございます。
しかもまだ発掘場所は残っている(全体で山手線の3分の2の広さ)ので、まだまだAIによる黄金時代は続きます☺

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