[はやぶさ速報]リュウグウの起源と地球生命との意外なつながり
前回「超新星爆発が生命の種を運んだ」という投稿をした後に、はやぶさ2の最新ニュースが流れてきました。
ようは、
断熱効果もあるケイ酸塩鉱物内にも有機物が発見され、生命のゆりかごの役割を果たした可能性がある、
という話です。
今回話題になっている鉱物は、地球の殻、いわゆる「地殻」にも存在する馴染みの造岩鉱物です。あらい粒だとより熱から守る効果があるそうで、「ゆりかご」というよりは「保護膜」みたいなイメージでしょうか。
今回気になったのが、今回の成分解析の結果、これが太陽系外で誕生した可能性を高めた、という報道です。
今までの成果発表で比較的まとまってると個人的に感じているものは、JAXA発表の下記サイトです。
上記のうち、下記の図が、現在の起源を提案している図としては、分かりやすいです。
形成過程については、今回JAXAから新しく提案がされましたが、もともとはリュウグウがなにがしかの理由(ほかの天体の衝突?)で母天体から分裂したものという説は変わってないようです。
以前より、「ポラナ」か「オイラリア」と名付けられた、今も太陽系を回っている小惑星がその候補です。
上図の、青が「地球」、緑が「りゅうぐう」、赤が「ポラナ」、水色が「オイライア」の軌道です。
そして、この母天体候補が、今から8億年前に小惑星衝突に遭ったという説も、2020年ごろに出ています。
この小惑星群はシャワーとも例えられるほど大量かつ広範囲にわたっており、それが興味深い仮説に発展しています。
なんと我々の地球にもぶつかって、生命活動のエネルギーに必要な「リン酸」をもたらし、地球環境ひいては多細胞生物の進化に貢献した、というものです。
元々この時期に、リン酸濃度が10倍以上になったことは知られていましたが、その原因は不明でした。
この仮説は、JAXA月探査機「かぐや」のクレータ画像の解析が発端です。
大型クレータ59個のうち17個もが、年代測定の結果8億年前であることが分かりました。
そして対象のクレーターの砂(アポロなどが採取済み)を解析したところ、リン酸がピークになっており、上記の地球におけるリン酸濃度急増時期との符号に気づいたということです。
この一連の話は、ミステリー本にしてほしいぐらいとても面白いストーリーです。
関心をもった方には、例えば下記記事を紹介しておきます。(探せば色々と見つかると思います)
NHK「サイエンスゼロ」「地球と惑星の共進化」
リュウグウと地球の意外なつながり。今回はやぶさ2がリュウグウから持ち帰ったサンプルは、地球の歴史を封じ込めた「玉手箱」といえるかもしれませんね。