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人工知能も人間と同じ色を描く

こんな記事が目に留まりました。

色の見え方が異なる病気として、「色盲」という言葉は昔は聞いたことがあります。色が認識できず白黒に見えるイメージを持っていました。

ところが、厳密には違うようです。勉強になったので「色」の基本知識と人工知能について面白い研究を見つけたので紹介します。

まず、色の見え方が違うから色盲、と括るのは間違いで「色覚異常」と呼び、下記のパターンに大別されます。

1色型色覚:3色全てを感じることはできますが、その感じ方が正常者とは異なる。(色弱とも呼ばれる)
2色型色覚:3色のうち1色の区別がほとんどできない。
異常3色型色覚:全色盲といわれ、色に対する感覚がまったくなく、モノクロ写真のように全てが灰色に見えてしまう。

<参考にしたサイト>

3色とは、「緑」「赤」「青」で目には主にこの3つのセンサーが内蔵されています。

下記によると、網膜内にある「すい体」内に存在するようで、他にも細かくセンサーはありそうです。

出所:上記サイト内図

この組み合わせで色を認識する、ということは結構アナログ処理で厳密に言えば人によって違う色を見えてもおかしくない、と感じました。

実際、たまにネットで「これって何色に見える?」で意見が分かれる娯楽写真はみかけます。

こちらのサイトで、過去よく見たものを集めてたり、まさに色の認識力の違いについてまとめていたので紹介しておきます。(特に白と金のスカートは当時盛り上がりました。私は黒と青にしか見えません・・・)

出所:上記サイト内図

あぁ、やっぱり人によって細かくは違うのね、とほっとしていたら興味深い用語を見つけました。

共感覚」と呼びます。

なんと、文字か数(だけでなく音声も)に色が付く感覚を持つ方がいるそうです。(日本内では統計的に4%)

少し前にも、芸能界で話題になったことがあるようです。透明水彩と聞くとよい響きですね。

そんな中、日本の研究グループが「人工知能にも共感覚はあるのか?」という興味深い研究発表をしています。

要は、
チャットAIと(共感覚を持たない)人間は文字から連想する色は似通っている、
という話です。

個人的にはとても興味深かったです。
まず、今回使ったAIは話題のGPT-3です。最近だと同エンジンを使った「ChatGPT」のほうが話題かもしれません。

実験の仕方は単純で、各アルファベットをヒトとAIそれぞれについて連想した色を回答してそのパターンを統計解析したものです。
元々は共感覚の実験をAIに置き換えた歴史的な実験らしいのですが、下記がその結果となります。

出所:上記研究リリース内の図

言葉が分かりにくいですが、横軸はAIの初期パラメタ(ギターのチューニングのイメージ。要は特殊性がないということ)で、縦軸が相関係数で1に近いほど近いという読み方です。(synaestheteは「共感覚」の英単語)

一目瞭然ですが、極めて(共感覚を持たない)ヒトとAIの回答が似ていることが分かります。
元々GPT-3が人間の学習結果なので、ある意味自然な気もしますが、それを踏まえてもここまで似ていると人間に近い親近感を覚えます。

まもなくGPT-4がリリースされる予定ですが、既にChatGPTの各記事を見ればわかる通り、言語能力がもはや人間かそれ以上です。(少なくとも自分の非専門性領域についてはAIには勝てないと私個人は感じてます・・・)

最後の研究結果に私が親近感を感じたように、ここまでヒトの能力に近いと昔のイライザ(チャットAIの元祖で感情移入する人が続出し社会騒動になった)騒動に近い社会現象が増えてくるのかもしれません。

ふと、AIと聞くとどんな色を連想する人が多いのかしら?と思った今日このごろでした。

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