流れ星と宇宙デブリに願いを込めて応援
前回、太陽の流れ星史上初の観測について触れました。
実は、地上で見れる流れ星を人工的に提供するユニークな企業があります。
ALEという日本の会社です。公式のPR動画を引用します。
自社の衛星から球状の物質を放出し、それが流れ星として我々が見ることができます。
まだサービスインにまで至ってませんが、素直に素晴らしいです。
一応補足しておくと、エンターテインメントだけでなくその過程で環境データを収集して解析することも兼ねています。
ALEはほかにも事業を行っており、公式には下記の3事業から構成されています。
人工流れ星を始めとした「宇宙エンターテインメント事業(SKY CANVAS)」
地球大気のデータを活用し気候変動の解明への貢献を目指す「大気データ事業」
EDT(導電性テザー)を用いたデブリ対策装置の開発をはじめする「宇宙デブリ対策事業」
3つ目の事業で最近動きがありましたので、その関連する話を紹介します。
ようは、経営資源を集中するためにデブリ対策事業を別会社に譲渡する、という話です。
譲渡先は元社員が立ち上げた類似事業ですので、円滑に進むことを願っています。
ちなみに、宇宙空間におけるデブリについては過去にも触れました。
大半が高度2000km未満に集中しており、デブリを除去することを事業としている企業はいくつかあります。
ただ、その除去方法にもいくつかあり、ALEが目指していたのは「テザー」を使ったものです。下記の写真がわかりやすいと思います。
デブリ除去には、大きく分けて下記2種類があり、この手法は後者に属します
・宇宙デブリを能動的に取り除く(ADR:Active Debris Removal)
・人工衛星のミッション終了後に速やかに軌道離脱させる(PMD:Post Mission Disposal)
運用終了後の人工衛星に、事前にテザー(ひも)を内蔵した装置から伸展しそれによって意図的な力を加えることで軌道を変えます。
なぜ紐を伸ばすだけで力が生じるかというと、そのひもに電流を流すことで、地球の磁場と伴って「ローレンツ力」が生じます。
この名前だとピンとこないですが、下記の図だと思い出す方はいるかもしれません。(フレミングの左手の法則)
この実証実験は過去にJAXAとの共同プロジェクトとして行ったので参考までに引用しておきます。
人工流れ星もユニークですが、このデブリ除去も負けず劣らずすごい発想だなと感じます。
ALEからの譲渡先でこの方式が花開きデブリ除去につながるよう、心よりエールを送ります。