ニッチだけど忘れられない彗星の話
名前が複雑だと覚えにくいですが、それが行き過ぎると逆に覚えてやろう、という変な欲求が生まれます。(私個人の話です)
スリランカの首都はその最たるものですが(長いので記載割愛)、天体の名前では「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」です。
しかもこの彗星、時々面白いニュースを届けてくれて、最近また目に入ったのでソース元と合わせてとりあげます。
要は、
2015年に観測されたチュリュモフ彗星の酸素放出メカニズムは、核の深部に分子状酸素が貯蔵されていることが分かった、
という話です。
先に名前が気になると思うので触れておくと、これは1969年に見つけた研究者二人の名前からとっています。
下記が探査機が撮影した写真ですが、2つの天体(全体の直径は3.2キロ)が合体したと考えられています。
今回の記事までにも忘れたころにこの彗星は騒がせるので、そのトピックを時系列で整理してみます。
小惑星到着&サンプルリターンは日本がトップランナーですが、彗星ではこのロゼッタ探査機が世界初の偉業を遂げています。
ロゼッタが撮影した動画はとても刺激的なので紹介しておきます。
この映像は地球上でとったのでは?と思うほど躍動感にあふれています。
降り注いでいるのはダストや宇宙線で、一瞬光って見えるのは恒星です。
そして、2014年に初着陸した探査機が持ち帰った情報から、有機物が存在することも示唆されて、当時も騒がれました。
要は、
それまで彗星では検出されたことがなかった有機化合物が発見され、数十億年前に地球に生命の素を運んできたのは彗星だという仮説を後押しした、
という話です。
そして、冒頭の記事に戻ると、彗星内部には推計以上に酸素貯蔵部があるということが分かり、より我々が住む惑星に対して、有機物やそれを生み出す水を届けた可能性を高めたとも言えます。
もしかしたら、次回はニッチでなく大発見を届けてくれるかもしれません。