お尻で呼吸!?驚きの実験がイグ・ノーベル賞を受賞
毎年恒例となるノーベル賞のパロディ「イグ・ノーベル賞」が今年も発表されました。
このブログでも過去2度取り上げたので貼っておきます。
ということで、今年も無事(?)日本人の研究も選ばれて、これで18年連続となります。おそらくここまで来たら「日本人枠」があるのでしょう☺
今回受賞したのは、
「ブタなどの動物にお尻から呼吸する能力があることを発見した」
功績です。
個人的には過去2作よりもツボにはまりました。
肺呼吸をする動物が呼吸機能障害が起こった時に、高濃度の酸素をおしりから送り込むことで改善効果があることを実験で証明したそうです。
これは皮肉ではなく、「呼吸」の役割について考えさせられる実験だと思います。
人間は大体一日に数万回程度口か鼻から肺に空気を送り込んでいるといわれています。ただ、そこはあくまで循環器、つまりポンプの役割なので、重要なのは血液に酸素を送り込む(そして二酸化炭素を排出する)結果です。それが肺だけである必要はない、ということですね。ということは、今回の研究対象にしたお尻以外でも同じ効果を生む可能性がありそうです。(もちろんお尻を選んだのはそれなりの理由があるのでしょうが)
ちなみに、今回の研究代表者は武部貴則教授ですが、上記記事にもあるとおり専門は「お尻」でなく「再生医学」だそうです。
iPS細胞から肝臓や膵臓をつくる研究に成功したなかなかすごい方でした。
そんな方が一見無関係に見える肺の代替機能を探す研究になぜ踏み込んだのか?
元々は「再生医療の技術で肺を作成する」のがスタートでした。ただ、肺は複雑な機構を持ち、結構難易度は高い臓器のようです。
とある方のアドバイスで、それに一転張りだとあれなのでほかのアプローチもやってみたら、ということで今回の代替機能探索もスタートしたそうです。
代替案のほうが先に世の中に認知されたのもなかなか面白い顛末ですね。すでに授賞式に本人もユニークな姿で登壇し、結構ノリノリだったようです。
授賞式の模様は、ニコニコ動画が日本語字幕付きで放映しており、下記で見ることができます。(あの定番の横スクロールコメントもあります)
大体1:10あたりからが登場シーンです。
他の受賞作もちらちらと見たのですが、どれもばからしくて(失礼)めちゃくちゃ面白いです。また時間がとれたら個人的に面白かったものを紹介したいと思います。
まずは関係者の皆様、本当におめでとうございます。