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宇宙農業の可能性

宇宙で農業。人によってリアリティの受けとめ方違うかもしれませんが、既に起こっている未来です。

こんなニュースが流れています。

ようは、
各社と組んで月面でも栽培可能なアスパラガスの探究を進めている、
という話です。

この主人公は「天地人」という日本のベンチャーです。元々衛星データから地上の土地評価エンジンを開発・提供しています。
例えば水田からメタンガスがどれだけ放出されているかを人工衛星のデータから推定することが出来ます。

実は、JAXAが初めて出資した民間企業としても過去に話題を呼びました。(2021年の法制度改正で法的に出資可能に)

もう少し俯瞰的に言えば、内閣府の宇宙政策(令和5年度版)における予算項目にも環境保全を意識した農業への投資は注目されています。

出所:令和5年度予算概算要求における宇宙関係予算

話を地面に戻すと、まずは地上での過酷な環境から段階的に実証を進めていずれは月面、というステップだそうです。

ヒトによっては何を夢物語を・・・と思うかもしれませんが、以前から宇宙農業の構想は「国際的」に進められており、今でも実証が行われています。

ISS(国際宇宙ステーション)での栽培実験です。その歴史も軽くふれた記事を紹介しておきます。(タイトル画像も下記記事内の図でJAXA提供)

ようは、
1950年代から宇宙農業の企画はスタートし、NASAを中心に1990年代にはISSで本格的な栽培実験が始まっています。(過去ソ連も同様の実験を)

上記記事内の図

2015年には、上記栽培装置で収穫された物を初めて現地にいる宇宙飛行士が食べました。

日本でも2009年よりISSの実験棟(きぼう)で微小重力と地上との栽培比較を行って、将来の月面含めた宇宙農業への可能性を模索しています。

今触れた通り、宇宙農業の課題の1つは「重力」です。

今までの実験ですでに分かっているのは、微小重力だと細胞レベル(細胞壁が柔らかく伸びやすい、など)で発育に変化があります。つまり、地上での農業の常識から見つめ直さないといけないわけです。

なお、現時点ではISS内での栽培管理なので、常にヒトがいるわけですが、基本的にはロボットによる自動化・自律化を志向しています。

地上でいうところの「スマート農業」に近いですね。

言い方を変えると、有人の長期滞在がまだだいぶ先になる地球外での研究では、無人が必須になり先行的な実証が進められて、それが地球上に還元できる可能性もあります。

以前に、日本の研究グループが「月面に住める施設」を構想している話を取り上げましたが(過去投稿は下記)、「食」の世界でも着々と準備は進められているようです。


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