Science We Dance ?
今日は超Coolなコンテストを紹介します。
まずは先入観抜きで、下記の4分ほどのDance動画をご覧ください。
代表者PovilasŠimonisさんで、タイトルは「パルス電界処理に対する酵母細胞の応答の調査」です。
ダンスをみてタイトルを聞くと「えっ?」と思ったかもしれません。
なんとこれ「PhD(博士課程卒業)保持者自らが、自身の研究をダンスで表現するコンテスト」で、今年度の総合受賞者(生物部門)映像です。
運営は国際的に権威のあるAAASとScienceで、人工知能で著名なPrimer社が後援しています。
どうでしょう。科学者ですよ? とてもクオリティ高くないでしょうか?
せっかくなので、上記動画の研究内容を文字で補足しておきます。
パン作りには欠かせない酵母、具体的には糖を分解する「微生物」です。
この酵母に電気刺激をコントロール(超短いパルスをあてる)することで、有益な細菌を生かしたまま酵母細胞を選択的に不活化できる仕組みを編み出しました。
さすがにPhDの研究だけあって、内容もちゃんとしてます。それを踏まえて動画を見直すと、より深く研究内容が入ってくると思います。
今年で14年目となるコンテストですが、他の基礎科学(化学・物理)部門受賞者のダンスも紹介しておきます。
ダンスは全くの素人の科学者たちが、一生懸命取り組んでいる様子が感じられます。
化学部門:
ボルドー大学のMathildePalmier「老化した骨の生物学を理解する:骨細胞に焦点を当てる」
物理部門:
ハーバード大学のXiaohanWu氏「ライマンαの森と宇宙マイクロ波背景放射を使用した宇宙の再電離の調査」
ちなみにこのコンテストは、各部門の勝者は750ドルで、総合優勝者には、追加で$ 2000が贈られます。
さすがに賞金目当てとは思えないので、あくまで自身の研究を知ってもらうために応募してるんでしょうね。
より科学の専門性が増し他の方に研究成果を知らしめることが難しくなってますので、こういったPopな取り組みはとても意義があると思います。
そして・・・、蛇足かもしれませんが、ダンスは(ほかの一般的な運動と比較しても)健康効果が高いらしいです。
要は、
過去の本テーマに関わる研究群を抽象化して分析(メタ解析)すると、他の運動にと比較しても劣ってないことが確認されました。
特に体脂肪削減においてはサッカー・ジョギングより有効で、その他にもダンスは長続きしやすいと示唆が可能、
という話です。
最近だと、VR機器のダンスゲームでダイエットに成功した、という話も周囲で聞きますが、なんとなく共感できます。やはり楽しいですね。
健康効果はともかく、日本でもこういった取り組みを、できればお堅い学会スポンサーの下で取り入れると、より多くの方が先端科学に興味をもってくれるかもしれませんね。