第14回【『読んだらバズる ヨンデル選書』②(読書の話)】
2018年11月20日公開 29分34秒B
ここからは地引網の収穫です。
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「本の話は古典に帰結する説」
1. フェアとはまったく関係ない「ぱらのま」の話
最初~5分55秒
● 少し前にいっちーがおすすめしていた「ぱらのま」がいい。1巻を読んで、2巻はこれから。
● 「ぱらのま」と「てるみな」があって、両方鉄道もの。「ぱらのま」の主人公は乗り鉄の女性。「明日は朝早く起きてあの電車に乗る」って言いながら起きたら昼で、「でも今からでも近場なら行ける」とビールを飲み始めて、次のコマで夕方になってる、みたいのが最高にかわいい。1ミリもがんばらない。欲望に忠実で、あれが日常系で萌え。どまんなか。(よう)
● 「ぱらのま」は同人誌感が強い。(いん)
● 売ってやろうという気概が見えない(よう)
● 好きなものをとことん描いているところが同人感がある。(いん)
● テレビにおける「タモリ俱楽部」みたいな感じなのでは(よう)
2. 読めないフィクション読める漫画でも読みたい本しかない
5分56秒~17分15秒
● 漫画はスッと読める。本は読む期間と読まない期間がある。自分が読める活字の量が決まってるみたいで、特に仕事で論文を多く読むと1~2か月本を読まないこともある(よう)
● ぼくも同じ。フェアの時に「医学書七割」と言われて安心した。医学書ばかり読んでいる。ここのところ小説を全く読めていない。「一般書」と言われて「小説読んでない」と慌てたが、一般書は小説じゃなくてもいいのかと気づいた。医学書を読んでいるとフィクションは読めない。(いん)
● 例えば話題になった本で、コミックスにもアニメにも実写映画にもなった「君の膵臓をたべたい」は読んでいない。「サピエンス全史」は最近読んだ。ウルトラおもしろい。
● 衝撃的だったのと同時に、おこがましいけど「同じこと考えてる」って思った。「そう!そうだよ!」と激しくうなずきながら読んだ。(よう)
● 次作の「ホモ・デウス」も面白いらしい。まだ読んでないけど。(いん)
● 最近読んだ小説は「箱の中」(木原音瀬-このはらなりせ-)。文学性の高いBL小説。知り合いの腐女子二人にBLの素養がない人でも読める小説を聞いたら、二人から激押しされて読んだ。刑務所の中から始まる話。普通におもしろかった。(よう)
● そういう、ニッチなところから出てくる名作をお勧めしてくれたら絶対読みたいし、たとえば「宮部みゆきが新刊だした」と聞いたら絶対面白いから読みたいし、「かがみの孤城」(注1)超売れてます本屋大賞! 読めば面白いってわかってる、というのも読みたいし、でもその中で医学書を読んでしまうとぜーんぶ後回しになってしまう。(いん)
● 今言ってたような身近にある本に加えて、古典的なSF作品、近代文学、たらればさんが激押ししている古典、ラノベ、哲学や思想、経済の古典もある。(よう)
● この状態を見越した編集者からショーペンハウエルの本を紹介された。「本を読むことは他人の思考を頭に入れることなので、自ら思索をしなくなるから、本を読み過ぎるお前は馬鹿だ」みたいなことが延々と書いてある。(いん)
● いっちーも知ってる偉い先生が「論文を読み過ぎるとそれに引っ張られるからだめ」と言っていた。ただ、その人が読んでる量が全然違う。(よう)
3. やっぱ古典っすよね
17分16秒~27分57秒
● 三省堂のフェアで、追加で選ぶ15冊を、ぼくが「これを読め!」と押し付けるか、自分の気持ちを消していくかでわからなくなってしまった。そこで信用している編集者にメールをして、彼らにおすすめを考えてもらうことにした。それは3~5冊くらい。「フェアをきっかけにおすすめされた本なんですけどキミらもどっすか。同時に読みませんか」としようかな、と。それはぼくもうれしいし、フェアの人も望むところではないか。(いん)
● 一緒に楽しみましょうという感じもいいかもしれない。(よう)
● 3か月後にマニアックな医学書をおすすめされても読む人いるか、となるし、専門家はもうその本を知っている。それに医学生や看護学生、医療者ではないけれど興味を持ってくれる人、三省堂書店が喜ぶ本ではない。だから手を借りようか、と。(いん)
● 医療の古典ていうといいのもあるけれど、変わってきてるし。医療専門書じゃないけど医療について書いてあるもの、医療哲学みたいなものはいいかもしれないが、なかなか難しい(よう)
● こないだ「治療文化論」を読んだ。素晴らしい本だけど新刊は手に入らないのでフェアには乗せないほうがいい、と言われた。フェアに乗せる本を聞いてるのに、と思って古本屋で買って読んだら感動した。(いん)
● 「ほぼ日」の古典を読むシリーズでシェイクスピアをやってたらしい。次は「源氏物語」だったかなあ。今度そういうのあったら一緒に行きませんか(いん)
● 源氏物語だったらぜったい行く(よう)
● 今度万葉集だったかなあ、企画があったら連絡します。犬(たらればさん)のとき(注2)、告知が出たときにタイムラインにいたのですぐにチケットを買った。開始20分くらいで買ったのだが、2時間足らずで完売していた。会場のキャパは300人(いん)
● ほぼ日の知名度もあるだろうけれどすごい(よう)
● 源氏物語は現代語訳だけど読んだと思う。世界最古のハーレムもののラノベだし、日本最古の文学小説だし。それを女性が書いてるのがすばらしい。(よう)
● 何読んでいいかわからなくなったら古典から、というのはその通りだと思った。(いん)
● ロシア文学もあるよ(よう)
● 「カラマーゾフの兄弟」は読んだ。読んでへとへとになってあとがき読んだら、読んでる最中に「すげえな」と思ったポイントは世間でもすげえと言われてることがわかって、殴られるやら納得するやらだった。(いん)
4. おさらい えーと? 何がバズるんだっけ?
27分58秒~最後
(注1)ヤ先生はここで「かがみのこどく」とおっしゃっていましたが、調べてみたところ、おそらく「かがみの孤城」のことではないかとおもいましたので、こちらにしました。2018年の本屋大賞も獲ってるし。
(注2)ほぼ日による「ほぼ日の学校」は2017年にシェイクスピアの講義からスタートしました。現在はアプリになっていますが、最初は当時青山にあったほぼ日の本社で100人ほどが実際に講義を聞く形式。半年くらいのコースで受講料が13万円くらいでした。シェイクスピアのあとは歌舞伎、万葉集、と続きました。
さて、ここで言及されているのは、「ほぼ日の学校」のイベントとして行われた「ほぼ日の学校番外編 たらればさん、SNSと枕草子を語る」のことだと思われます。2018年10月29日(月)に浜離宮朝日ホールの小ホールで行われました。たらればさんは犬耳と、最初はお面を付けてのご登壇だったように記憶しています。つまり、その場にはわたくしもいたのでございます。ええええ!あそこにヤンデル先生いらしてたのか!
わたくし、当時はヤ先生をまだ知らない乙女だったので残念なことをしました。
その時の概要とたらればさんの寄稿ページはこちらです。今なお熱く語られる愛が、コンパクトにしかしホットにまとまっていると思いますので、ぜひ。
********* 感想 *********
● 概要欄にあるURLはまだ生きています(2023年8月現在)ので、ぜひ見てみてください。
● お二人は読んでない読んでないと言いながら、読んでるよなあ。
● あれもこれも読みたいけど、どうしたらいいんだろう?という先輩の問が、ぱっくり割れた傷にアルコールをぶっかける感じで痛かったです。一日中本を読むことが仕事にならないか、と真剣に悩んでいた目黒考二さん(先日お亡くなりになりましたね)を思い出します。そこまでとはとても言いませんが、ポンコツなりに読みたいんよ。
● ヤ先生を知ってから、わたくしの読書はヤ先生に大きく影響を受けています。おかげで自分でも知らなかった自分の興味を掘り起こしていただいて、ここ4年ほど急に蔵書が増えました。大げさでなく、それまでと呼吸の仕方が変わりました。感謝しております。
今回もありがとうございました。