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「?」から「OK」への進展:「岡山芸術交流」

岡山と愛知は、どちらも国際的なアートプロジェクト。日本の代表的な新潟の越後妻有「大地の芸術祭」や「瀬戸内芸術祭」の山間や海といった自然豊かな地域空間に軸足を置いたものとも、「都市型」という点で異なり「地域とGlobalの共存」のアートだとされている。
「岡山芸術交流2022」と「あいち2022」(ディレクター片岡真美)とは、歴史も規模もちがう国際芸術祭、何が異なるのか?2022年のアートプロジェクトの一つの考察。

「あいち」と「OK」の違い

同じ点はあるが、違いは3つ
①          岡山は、芸術祭というネーミングではない「岡山芸術交流」。国際現代美術トリエンナーレでも、そこがちょっと違う。
②          岡山市や県とがっつりタッグを組んでいるので、現代アート展だけでなく、徹底した学校や地域連携とも連携を柱にした事前からの取り組みを柱に力を入れている、金沢21世紀美術館型方式か?
③          今回の展覧会のディレクターは、現代アートに新たな変革を生んだ「リクリット・ティラヴァーニャ」。有名にしたのは、1992年「ニューヨークMoMA のインスタレーション」を再現し、ギャラリーをキッチンにタイカレーを無料で提供という「参加型の関係性のアート」として画期的な作品。

(Rirkrit Tiravanijaブエノスアイレス生まれのタイの現代アート芸術家)

OKの特徴と変容

■「交流、連携、参加・関係」などのキーワードに力点が入っているのが、一番の特徴だ。
■OKの那須総合ディレクターは 岡山では3回目(9年前から)の変容3つのフェーズ、①現代アートの歴史(縦軸)、②現代アートの領域拡大、③OrdienceからPublicへと。今回は③のフェーズだとで捉えている。
■リクリットの関係性アートは非常に素直
:小学校のグラウンドを芝生化、交流の場
:タイのカレー:キッチンカー登場
:人文字:?(Open)→ OK(Closing) 展開
:レストラン16店舗にドローイング展示
■「まちおこし」から「人おこし」への転換
:学校の参加校:①30校、②70校、③100校:今や1回目の小学生が高校生
:子どもたちがアートガイド:子どもたちの視点で大人をアテンド、子どもには現代アートの抵抗がない
:「子どもアート新聞」:アートは何を訴えているのか
Cf.横浜トリエンナーレでも実績

ヤン・へギュ
曽根 裕
プレシャス・オコモヨン


アート・レーバーとジャライ族のアーティスト集団


池田亮司

アートプロジェクトとして異質な存在:OK

「空と夢」がキーワードで、「STILL ALIVE」の実存型の哲学的な命題とも違う。
「僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか?」の疑問文のもと、多元性のある空で見る夢とは何かを問う。西洋的規範の周縁にある物語表現の中で見る夢を越えて、私たちの意識や視点を変革するものにしたいという狙い、日本国内での多くのアートプロジェクトとしては異質な存在だ。

旧内山下小学校

「岡山芸術交流」岡山市で3年ごとに開催される国際現代美術
アーティスティックディレクター:リクリット・ティラヴァーニャRirkrit Tiravanija
会場:岡山城・岡山後楽園周辺エリア
事業構成:①現代アート展 、②パブリックプログラム、③学校連携/地域連携テーマ「僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか?」(Do we dream under the same sky)
物語や人生、そして考え方、見方、聞き 方、あり方、さらには希望、野心、そして日常の中で心を動かされるような夢を超えた存在の仕方に対して、私たちの目を開かせてくれる夢を意味しています。

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