塗り込められた20世紀の記憶《ビルケナウ》
黒・灰・緑・赤・白などの色が塗り込められた4枚の巨大な抽象画。現代アートの最高峰ゲルハルト・リヒターが、「ホロコースト」という深刻な主題に挑戦し完成まで50年近くかかった最重要作品。日本の現代アートの中で2022年一番の話題作。私はアウシュビッツのような暗いテーマは好きではなかったが、最近ではナチのような「全体主義」が、この世にこれからも復活する可能性があると言われており、《ビルケナウ》には強烈な感銘を受けた。《ビルケナウ:Birkenau》(2014年)Gerhard Ri