《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.38
課題4:女性が新しいことにチャレンジしたくなるコピー
・尻込みする私のお尻は、どんだけ重いのかしら。
しずおかコピー大賞の中で、大賞、準大賞に続く3番目の賞「SCC賞」。
地元静岡で活動するコピーライターたちが感じる、その年・その場所・その人たちによって醸された「静岡の気分」が適度に反映されたコピーライティングに与えられる賞になっていると思います。
この意味において、賞としての統一感はなく、毎年ちがう趣のあるコピーが選ばれているように感じられる部門だ。
第10回を記念するSCC賞のコピーが、これである。
なんとも言えない、重みを感じる。(笑)
これには、私も一票を投じた記憶があります。
「ケツが軽い」というコトバがある。そういう軽蔑は、このコトバとトーンにはない。何事も面倒だったり、なかなか行動しないことを表す「尻が重い」という慣用句をユーモアで包み込みユニークさが香る焼きたてのパイのように旨そうなコピーに仕上げている。
一読目から、単純に面白い。
『かしら。』とすっ惚けているところも、コントや漫才といったお笑いのフレーズみたいで清々しさすら感じてしまう。(笑)
昨年も、ポピュリズムやナショナリズム、ヘイトスピーチ、女性差別、人種差別、政治、戦争、災害、公害、、、兎にも角にも重く難しい問題と答えのない息苦しさを感じたりもしました。そんなときに、難しいことを一気に飛び越してあっけらかんと立ち止まりながら、読む人の緊張感をほぐし前向きな気持ちにさせてくれるこの一文は、一種の癒しと捉えることができるのではないでしょうか。
この癒しによって弱った気持ちも回復し、次への力を育んでくれる。そんな気がします。
こういう肩肘張らない楽しさが、『新しいことにチャレンジしたくなる』という課題をクリアできる情緒的価値を産むのではないかと期待したくなりました。
誰よりも、コトバを楽しもう。
「コピーを書く」というと、ついつい難しいことから考えてしまう人も多いと思います。「コンセプトから発想する」という王道の方法は、クリエイティブの新人の方には強くお勧めしますが、それ以外の方なら、単純にみんなで楽しめるコトバを発見し、それを磨いて応募するという方法も良いかと思います。
コトバそのものが面白ければ、投げかけられた人も楽しくなる。この楽しさがモノゴトに取り組むときのハードル(障害)を下げるきっかけになり、面白いコトバがそのまま受け手のベネフィットになる場合もあります!
そう。結局は、どんなアプローチであっても「ベネフィットの約束」となれば、コピーになり評価され結果に繋がるのだ。
どれだけコトバで楽しめるのか!? この競い合いに勝つことが、SCC賞獲得への近道なのかもしれません。
※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
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