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ニュースネタの発信方法①記者クラブ

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.プレスリリースを記者クラブで配布する方法

最も簡単で基本的なネタの届け方は、地元の記者クラブでプレスリリースを配ることです。

各県の県庁所在地の記者クラブには地元の地方紙のほか日本経済新聞、朝日・毎日・読売・産経の各紙、NHKと地元のテレビ局、共同通信社と時事通信社、そのほか主要なメディア数社が所属しています。

記者クラブは県政、市政、経済、教育、警察などに分かれていて、各メディアの担当記者が加盟しています。企業のプレスリリースを受け付けてくれるのは主に経済記者クラブで、各都市の商工会議所の中にある場合が多いですが、県庁内の県政記者クラブと兼ねていたり、国の合同庁舎や市役所の中にあったりと、各県によって体制が異なります。

自社のリリースをどこに配布してよいかわからないときには、地元地方紙の報道局に電話して「○○会社のプレスリリースを配布したいのですが、該当する記者クラブはどこにありますか?」と訊ねれば教えてくれます。さらに、そのメディアの経済担当記者の名前と連絡先がわかれば、記者クラブの人数や配布のルールなども教えてもらえます。

2.記者クラブでの発表方法

①プレスリリースを一斉配布する「投げ込み」
通常は、プレスリリースを人数分コピーして持参し、記者クラブの入り口にある郵便受けのような配布ボックスに一部ずつ投げ込んでいきます。記者クラブでのリリースの一斉配布を「投げ込み」とも言います。投げ込みは予約や事前連絡の必要がない場合も多いです。

②説明(レクチャー)を伴う一斉配布
プレスリリースを投げ込むだけでなく、トップからの説明や、その場で実際の製品を見せたい場合は、事前に時間を決めて「レクチャー(レク)付き資料配布」にする場合もあります。その際は、記者クラブの幹事社(加盟社の中で1~2か月ごとに替わり加盟社への連絡の窓口になるメディア)に事前に連絡してレク付きにしたい理由を伝え、日時を調整してもらい、決まった時間にクラブに出向いて説明をします。

その場で直接取材を受けるので即日、あるいは翌日にも報道してもらえる可能性が高いです。ただし、レク付きだからといって全社の記者が集まってくれるとは限りません。勇んで出かけたら地方紙の記者ひとりしか聞いてくれなかった、ということもあり得ます。レク付きの際は、記者が集まるのにふさわしい、ニュース価値の高いネタを用意していかなければなりません。

③記者会見
会社の合併や解散、事業提携など、社会的影響が大きな案件の場合には、自社の本社や記者クラブでの「記者会見」を設定します。レク付き会見のフォーマルな形式と言えます。中小企業が記者会見まで行うべき案件は滅多にありませんが、リリースの形態のひとつとして覚えておいてください。

④記者説明会・発表会
新工場の竣工や店舗のオープン、新プロジェクトの発表など、大々的に報道される価値がある案件の時には、自社の本社や工場、ホテルなどの会場に記者を招いて、実際にモノを披露し、写真や映像を撮ってもらい、社長などがじっくりと質問やインタビューを受ける場を設けることもできます。事前に記者クラブの幹事社に連絡し、発表案件の概要を説明して了解を得たうえで、加盟各社にご案内状としてのプレスリリースを配布します。発表会への参加・不参加の確認は、幹事社が取りまとめてくれる場合もありますが、基本的には企業側が加盟する各社に個別に連絡をして確認することが必要です。また、説明会・発表会の場合は、業界紙や雑誌、ラジオなど記者クラブ加盟社以外のメディア、さらにアルファブロガーなど有力なインフルエンサーに声を掛けて集まっていただくこともできます。

3.雰囲気に慣れて常連広報になろう

「記者クラブ」という場所は、一般人から見ると異質な雰囲気があって、ちょっと近寄り難いと思われる方もいます。メディアの記者の中には怖い顔をしている人もいますが、有益なニュースネタを届けてくれる広報担当者を彼らも待ち望んでいるのです。怖がらずに足を運べば、新しい世界が開けますよ。

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