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記者が独自に取材先を選ぶ視点

大手マンションメーカー広報15年、地方の小さなPR会社経営16年のPRプランナーが中小企業の広報PRに役立つ情報を発信しています。

■記者の裁量で取材できる「自由企画枠」

東京や大阪にある大手新聞社やテレビ局の本社に属する報道記者は、政治部、経済部、社会部、運動部などの各セクションに配属されています。政治部や経済部では、様々な分野の記者クラブに所属し、日々、専門的な事象を取材して記事やニュースを作っていきます。

一方、地方新聞社や大手新聞の地方支局の記者も、県政、市政、警察、経済など担当の取材分野が分かれています。(各社には、専門の担当分野を持たない「遊軍」と呼ばれる記者もいますが、ここでは説明を省きます)。

各担当分野を受け持つ記者も、一年中その分野の記事ばかりを書いているわけではなく、「記者自身の裁量に委ねられる自由企画枠」を持たされていることが多いです。記者自身が興味や関心のあるテーマに沿って、自分で取材先を探して取材し、記事にまとめ、紙面やニュースとして世に出すのです。

■「自由企画枠」の取材ネタの集め方

こうした「自由企画枠」の取材において、記者たちはどのような情報の集め方をするのでしょうか。何人かの記者から聞いた話をまとめると、次の4通りの方法があるようです。

1.企業や団体から発表されたプレスリリースの中で、関心を持った件について保存しておき、後日、問い合わせて取材する。
2.知人や、過去に取材したことのある人からの「こんな面白いネタがある」「こんな人がいる」などの情報提供をもとに取材する。
3.他社の新聞記事やテレビニュースなどをヒントにして、そこで紹介された件について独自の視点で取材し、新たな切り口で報道する。
4.インターネットのポータルサイトやWebサイト、SNSなどから、興味のあるキーワードで検索して関連する事や人を取材する。

■取材されるネタの条件

そして、記事の切り口としては下記のような要素が含まれていることが条件となります。

1. 社会動向に関連付ける(○○問題、○○ブーム、○○現象 など)
2. 直近の季節の話題やイベント、記念日などにまつわる
3. ノウハウや背景を解説する
4. 人物の来歴や活動内容、考え方を紹介する

■自由企画枠の記事はリリースネタより大きな扱い

記者は、自分の裁量に委ねられた自由企画枠の取材を始めるにあたって、企画案をまとめて担当デスクにお伺いを立てます。メディアとして「取材して、報じる価値がある」とデスクが判断すれば、記者たちは取材に取り掛かり、記事をまとめ上げ、報道につながります。

企業のネタであっても、プレスリリースの内容に沿って報じるストレートニュースと、自由企画枠で報じられるニュースは、その取り上げられ方がかなり違います。

企画枠で取材されると、新聞の場合はより大きな記事で、テレビの場合はより長い尺(時間)で丁寧に報じてくれる傾向があります。

プレスリリースに頼るだけではなく、記者に対する独自の情報提供の手法を身に着けて、ぜひ広報に活用してください。

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