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Web時代の記者の取材工程とは

マンションメーカー広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.消費者行動も記者の行動も変化してきた

インターネットやスマホの普及で、消費者は、店に行ってモノを買う前に、まずはネット検索で情報収集するのがごく当たり前になっていますね。これが広告業界でよく言われる「消費者の購買行動がAIDMA(注目⇒興味⇒欲望⇒記憶⇒購買)からAISAS(注目⇒興味⇒検索⇒購買⇒情報共有)に変化した」ということです。

そして、消費者の行動が変わる流れと並行して、マスメディアの記者たちの取材行動パターンも大きく変わってきているんです。

インターネットが普及する以前、記者たちは編集部に配信されたプレスリリースや人づてに情報を入手したら、まず当該の会社に電話し、直接会って取材しなければ、それ以上の情報は手に入らないので記事を書く材料が足りませんでした。

2.取材の前に「検索」が当たり前

今は、記者たちがある会社のプレスリリースや口コミ情報を
①入手して
②興味を持ったら
次のような行動をとるのが普通です。
③パソコンやスマホで検索して事前確認します。
●当該企業のWebサイトを確認
・その会社が実在するか
・どんな会社なのか(会社概要、経営者、商品やサービスの特性、社歴、実績など)
・入手した情報は信頼できるか(ガセネタではないか)
・過去にどんなメディアで取り上げられているか
●自社と他社の記事データベースを開いて検索
・過去に自メディア、他メディアで報道された実績があるか
・犯罪歴、不祥事の報道履歴などはないか
●YahooやGoogleなどのポータルサイトでカテゴリー検索
・他の会社でよく似た製品・サービスが出ていないか
・他社の商品と新しい情報(当該商品)の差はどこにあるのか
●社会の動きとの関連を調査
・なぜ、今なのか
・記事にする必然性があるか
・記事にしても良いか(法的規制などはないか)
④確認ができたら、はじめて企業に電話し、取材の可否を確認し、取材日程を決めます。実際に現地に赴き、取材してリリース内容の再確認や疑問点のチェックをし、経緯、背景、将来ビジョンなど付随する情報を聞き出します。
⑤社に戻り、それらを頭の中でまとめながら記事原稿を執筆し、デスクに提出します。

3.AISAWの法則

ここまでの流れを、AIDMAに倣って頭文字で表すとAISAW(アイソウ)となります。
 ①Attention(注目する)
 ②Interest(興味を持つ)
 ③Search(検索する)
 ④Action(連絡・取材する)
 ⑤Write(原稿を書く)

記者がプレスリリースや口コミで情報を入手して興味を持ち、取材依頼の連絡をするまでの間に「ネットで検索して調べる」過程が加わっている。私はこれを「AISAWの法則」と名付けました。

4.受け皿としてのWebサイトは必需品

プレスリリース配布やメディアアプローチで自社や商品・サービスの存在を知らせる一方で、その受け皿としてのWebサイトの重要度がますます高まってきています。

前述の通り、記者がネタとして興味を持っても、あなたの会社をまだ知らなければ、最初に必ず会社名で検索(Search)します。そのとき、自社のWebサイトもなく、キーワード検索にも引っかからないような会社は、記者にとってもリスク(記事になるかどうかわからない)が大きいので、取材対象から外れてしまうんです。

きちんと体裁が整ったコーポレートサイトを用意し、情報を過不足なく掲載し、記者に取材の可否の判断基準を提供できるようにしておくことは、企業がパブリシティに取り組む前の最低限の準備なのです。

いま一度その役割を見直し、パブリシティ戦略を補完するためのWeb戦略を考えていきましょう。

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