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地方テレビ局向けパブリシティのコツ

大手マンションメーカーで広報担当15年、PR会社経営15年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.東京のテレビ局は間口が狭く敷居が高い

今世紀に入って、家庭へのインターネットの普及とともにテレビ離れが進み、メディアとしての価値が失われるのではないかと危惧されてきました。それでも今なお、社会に与えるインパクトにおいて、テレビが最強のメディアであることに変わりありません。

企業としては、「願わくば東京のキー局の人気番組に取り上げてもらいたい」ところではありますが、地方の中小企業の話題で全国ネットに乗せられるネタはそうそうありません。誰もが憧れる東京のテレビ番組は、それだけ敷居が高いんですね。

地方の中小企業の場合は、テレビでもまずはローカル局のニュース番組や情報番組に確実に取り上げてもらうことが、東京のテレビ局のセンサーにキャッチされるきっかけとなります。

まずはセオリーどおりにいきましょう。

2.地元のローカル番組に取り上げてもらうには

一般的に、地方の中小企業や商品がテレビで取り上げられる可能性があるのは、各県のローカル局が自主制作する「ニュース」か「地域情報・バラエティ番組」の番組内となります。

地域のニュース番組では、時流や季節など、地元の視聴者が関心を持つテーマに合った企業活動や新商品などがあれば、ネタとして提供することで取材・報道してもらえる可能性があります。

情報・バラエティ番組は、報道とは別の制作チームが担当しており、責任者以外は外部の制作会社に委託するケースが多いです。それぞれの番組のディレクターは、企画趣旨と各回のテーマに合う話題を常に探していますので、番組内容を把握しておき、それぞれのテレビ局の番組窓口に向けて情報提供すれば、番組内での紹介につながる可能性が出てきます。

3.ローカルニュースの取材基準

全国ネットのテレビでは、視聴率の数字がそのまま番組の評価となるので、そのネタを取り上げるかどうかは「視聴率につながるか」が大きな判断材料になります。一方、ローカルの場合は「視聴率ありき」というより「地域社会に役立つ情報か」という点が重視されます。

テレビでは何より映像の力が大きく、重要です。「映像で見て面白いこと」「動きがあること」も欠かせません。テレビで取り上げてもらいたいときには、「視聴者が見て面白い画(え)が撮れること」を重視してください。

テレビはその瞬間を切り取る映像がなくては放送できません。地元企業が、「うちに取材に来ればこんな面白い映像が撮れますよ」というネタを提供するのは、テレビ局の報道担当者にはとても助かることなのです。

また、訴えるべき「モノ」や「コト」が、映像として表現しにくい時は「人」にスポットを当てるという手もあります。テレビ取材を狙う際には、案件に関わる「人」についても提案資料の中に盛り込んで紹介することをお勧めします。

プロジェクトの責任者や、開発担当者などの経歴や仕事ぶりを取材することで、まだ形が見えないモノや、映像化しづらいコトをストーリー仕立てで見せていくのは、テレビが得意とするところです。

4.イベントのテレビ取材を狙う穴場の日は

企業が一般市民向けのイベントやお祭りを企画するとき、週末にしようと考えるのが普通でしょう。でも実は、テレビ取材を誘致したいなら土・日曜日のイベントは避けるべきなのです。理由は「需要と供給のバランス」

1. 土・日曜日は番組編成上ローカルニュースの時間枠がわずかしかない
2. テレビ局の報道スタッフも休みを取る人が多く、取材クルーが少ない
3. 週末は企業だけでなく学校や自治体などイベントの取材要請が多い

つまり、供給されるネタの量に比べてテレビ局側の需要が少ないのです。

狙いは、ウイークデーにある「祝日」にあります。月~金の祝日、テレビは平日編成ですからローカルニュースの枠は大きい。取材クルーも揃っています。週末ほどイベントも多くないので、取材に来てもらえる確率がそれだけ高まるのです。

私のクライアントのある企業では十数年来、毎年決まった祝日に恒例イベントを開催しており、多くの集客と同時にいつも複数のテレビ取材を獲得しています。

地方のローカルテレビならではのニーズに合わせた情報提供をしていきましょう。

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