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:妄想歳時記:雨風(あめかぜ)と戦う、小さな歯神さん。

6月4日は虫歯予防デー。
茶屋町辺り、呑んだお店でもらった、やらかいアメちゃん。
アルコールも甘い物も大好きな、両刀使いの雨風だから
レロレロしてると奥の銀歯がくっつき、はずれた。

帰り道、ヘップファイブの裏、ユニクロの隣。
いつもは見過ごす、小さく真っ赤な歯神社。
居られますのは歯の神様、なで石なでてお賽銭。

次の朝、シトシト降るは、はしり梅雨。
ジクジク疼くは昨日の奥歯、
今日はこのまま梅雨龍り。

押したり引いたり、痛みの合間、
ウトウトすると、枕元には見知らぬおじいさん。
驚く間もなく、どれどれと小さくなって口の中。

歯神さん、例祭の忙しい最中に虫歯菌を退治に来てくれた。
激しい戦い口の中は雨風嵐、ウッと痛みで意識を失う。

夢なのか? 気付くと、外はシトシトまだ朝の雨。
痛みはすっかり治まるが、奥の銀歯ははずれたまま、
さすがの神様もそれは管轄外。

あきらめて、今のうちに歯医者に電話しよう。



月刊誌「大阪人」/2009年7月号 掲載
おおさか絵暦
イラストレーション&文⚫︎中田弘司

発行:大阪都市工学情報センター

大阪梅田のHEP FIVEやEST-1の辺り、
昔から、たくさんの若い人達で溢れている。
もうユニクロはなくなっていたか?


働き出した頃、ここの奥にあった
大阪造形センターというところで
シルクスクリーンを習っていた。

田舎者の私は、
憧れていたアートについて
いろんな角度から教えていただいた。
それは、胡散臭く魅力的。


そこを離れてからも
忘れた頃には、声をかけてもらい
個展を3度もさせていただいた。

数年前には
講師もさせていただいたが
主催者が亡くなられ閉校となった。


あの辺を歩けば
今も若い人たちが溢れ、
忘れていた焦燥感と希望が
じわっと蘇る。





歯神社

当社は社名を「綱敷天神社 末社 歯神社(つなしきてんじんしゃ まっしゃ はじんじゃ)」と称し、今から数百年前に梅田一帯が大洪水に見舞われ、あわや水没するかにみえた折、地元の人間がお祀りしていたお稲荷さんの御神体である巨石(本殿地中深くに鎮座)が、流れ来る水を歯止めし、梅田の水没を防いだことから、歯止めの神さまとして慕われました。のちに歯止めの語呂が転じて歯痛止めにご利益があるお社といわれ、いつの頃からか歯神社とよばれるようになりました。

綱敷天神社 歯神社HPより

巨石信仰、
稲荷信仰からの
ひとつに特化した御利益を
与える神になったそうだ。

 歯神社の主祭神は、歯神大神さまと申し、歯、全般の神さまとして信仰されております。歯神社は元々、この地にあった巨石に神さまが宿っておられると信仰した地元の人々によってお祀りされた事に由来し、のちにその神さまはお稲荷さんとしてお祀りされるようになりました。ですので中世の頃の歯神社は皆さんの街にもあるお稲荷さんと同じでした。

綱敷天神社 歯神社HPより





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