What are you going to do for me? ~パートナーサクセスが営業に言われた一言~
ずいぶん昔のことですが、今でも鮮明に覚えている営業からの一言が、
「パートナーサクセスはいったい何をしてくれるの?」
(What are you going to do for me?)
です。
質問にも聞こえましたが、自分としてはディスられた気分でもありました。
それは当時、自分の仕事に自信を持てていなかったからでしょう。
今では、パートナーサクセスとしての貢献が認められ、表彰されるまでに成長しました。日々、営業から感謝されることも多く、パートナーサクセスの存在意義、価値などを理解していただいているので、このような質問を受けることはないでしょう。
Noteでは「これからパーナーサクセスを社内で立ち上げたい」もしくは「パートナーサクセスチームはあるものの、営業から価値を感じてもらえていない」、そんな方のために情報発信をしていますので、参考になる話をしていきたいと思います。
パートナーサクセスとして苦労したこと
営業が契約を取ってきてパートナーでサービスローンチしても、思うようにユーザが増えない、売上が上がらないということは往々にしてあります。
営業は契約を取る前に、需要予測だったり販売戦略などを固め、さらにパートナーと協議してどのようにサービスを展開・提供するのかを計画し、サービスをローンチさせます。
しかし、需要予測がチープなものであったり、パートナーと十分な会話がされていなかったりすると、思うようにビジネスが伸びないという問題が起こります。
この場合、売上が上がらないばかりか、サービスローンチに関わる開発コストなどを考えると赤字になります。
パートナーサクセスはこういった状況下に置かれたビジネスの立て直しを行います。
しかし、パートナーと自社との関係があまり良くないパターンの場合には特に苦労をしました。なぜなら、こちらが思うようにパートナーが動いてくれるわけではないからです。
頑張ったこと
どうやったら、パートナーは動くのか?試行錯誤しながら、身につけたノウハウを一部ご紹介します。
「もっとちゃんと売れ」と組織のトップからトップダウンで現場へ落としてもらう方法もあるかもしれませんが、これはどちらかというと営業の仕事です。
パートナーサクセスが手を動かして営業へ貢献できることは、真逆でボトムアップで現場の意識を変えてもらうことです。
その中で、最初に大事なこととしてはデータです。主に以下のデータを使ってパートナーを動かしていきます。
・累計契約者数
・純増契約者数
・新規、解約者数
・アクティブユーザ数
・無料期間後のリテンション%
パートナーサクセスはデータを使ってビジネスが上手く行っていない理由を分析していきます。
分析結果を事実としてパートナーへ伝え、冷静に会話を進めます。パートナーが展開するサービスのため、こちらが取得できないデータについてはパートナーへお願いして入手します。
パートナー側でも持っていないデータであれば、カスタマーへのアンケート調査などを提案し、実施します。
ここでのポイントは”パートナーと一緒に”行うということろです。できるだけ両社で膝を付け合わせながら、分析します。
これができると、人間関係が構築でき、信頼関係も生まれていきます。
データ分析の次は、カスタマージャーニーを精査します。
カスタマー目線でサービスがどのように販売され、認知され、利用促進されているのか、現状を把握し、カスタマージャーニーマップを作成していきます。
これも両社で行いますが、意外とパートナーは自社のカスタマージャーニーを把握していないので、まとめてあげると感謝されます。
データ分析やカスタマージャーニー分析を通じて課題が明確になったら次はKPIの設定です。両社でコミットするKPIを持つことがポイントです。
こういったことがしっかりと現場でできるようになれば、大きな数字、つまり売上目標(ユーザ数目標)など会社レベルでコミットしてもらえるようになります。
これがパートナーを動かすためのノウハウであり、自分がこれまで苦労し頑張ってきたことでもあります。
各々の取り組みのなかで、学んできたケースは他社にも展開することができ、複数のパートーの立て直しに成功しています。
今後の課題
パートナーサクセスとしての課題は、パートナー自身の課題をもっと理解していくことにあると思います。
つまり、パートナーが自社のビジネス(様々なポートフォリオがある中で、一番メインで扱っているもの)を伸ばすための課題を把握し、いちベンダーの立場から支えていけるレベルの関係性を築く必要があるかと思います。
パートナー経由で提供しているサービスだけを見るのではなく、パートナーのビジネス全体を伸ばす戦略的なパートナーとしてのプレゼンスを確保するということです。
そうすることで、より多くのペネトレーション(パートナーのTAMに対して自社のサービスの浸透度)を確保できるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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