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事業を創る人の思考様式「エフェクチュエーション」

今、そこら中で非対面事業へのシフト、業態展開といった言葉が飛び交い、国もそれを支援してくれている。今求められているのは、構想し、実現する推進力のある人材だ。

そんな中、中原先生の「「事業を創る人」の大研究」を再読した。読書はタイミングだ。読むときの環境により、受け止め方は変わる。

本を読むときには幹を把握した上で読みたいところを読むので、再読で新たな発見をすることが多い。今回の再読では、イノベーターの独自の思考様式として、インドの経済学者サラス・サラスバシーの考えを発見した。「エフェクチュエーション」という考え方だ。詳しくは以下の本にある。

博報堂さんでもこんな記事が書かれていた。よくまとまっているので、参照してほしい。

思考モデルにはコーゼーション(causation)とエフェクチュエーション(effectuation)の2つがある。

前者は、「決定要因の秩序を理解してから実行する」という段階を踏む思考様式。後者は、この対極にあり、「まずは実行してから決定要因の秩序を理解する。」という段階を踏む思考様式だ。

前者は段取りを立て、計画通りに進めることに重きを置く。後者はありあわせモデルなのだそうだ。ゴールイメージがなくても、ありものを合わせてなんとかやってみる。

もちろん、どちらも大切だ。ただ、今、こうした環境だから求められるのはエフェクチュエーションの思考モデルだと感じる。

全体を細分化して進める方法が取れない。あるのは、断片化した情報だけ。例えば、新しいウェブサービスがでた、普段使っているサービスに新機能が出たらしい、フィードにこんな情報が流れてきた、ときにはこんなことできないかなと聞かれたといったこともあるだろう。こうした、断片化した情報を交差させ、まとめ上げて、一つの形を作り出す

自分自身の思考様式は元来はエフェクチュエーション寄りで、コーゼーションを後から学習している。粒を綜合し、形が見えたらプロジェクトに落とす。こうしたやり方で、今年は様々な結果を出した。

こうしたやり方は次世代を担う仲間たちにきちんと背中を見せて伝えられただろうか。僕の発信量は多い。それは思いつきのこともあり、結果として何にもならないこともあるが、一つ一つ積み上げていくことでいくつかが繋がり、形になっていく。コーゼーションでは形をなすことはない。

思考様式が伝わったか。ただの左から右にいわれたことを回す指示待ちマインドは捨ててもらえたか。年末、そんなことを思う。

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