岡山旅行記(2)吉備津彦神社
前回の続きです。前回はこちら。
今回は吉備津彦神社。
ウェブサイトはこちら。
https://www.kibitsuhiko.or.jp/
こんな冒頭だと、さぞかし神社好きが書いているんだろうと思うかもしれません。ただ、僕は人と比べて特別に神社好きという訳ではないと思ってます。
人は神社で拝むが、何を拝んでいるのかとか、なぜその場所が選ばれたのかとか、なぜその場所が廃れずに今も存在するのか、なぜ繰り返し拝む習慣になったのか、といった、人の畏れがシステムになっていった過程や人の営為といったものに興味があるんです。
人を理解しようと思うとどうしても理解できない行動がある。理解できない人の多様な行動を知り、それを包摂できないといけない。ある種のD&Iかもしれません。
特に、精神世界に生きている人がわからない。ただ、自分が人として成熟するには、自分側ではなく半身を知ることが避けて通れない気がする。その一つとして神社を調べてるんですね。自分とは属性の違う人の思考をトレースすること、これが人を扱う仕事の究極なのかなと。
僕の他のエントリも俯瞰するとそんな感じです。
行政のガイドをみると、五行で木(き)火(び)土(つ)金(か)水(み)-吉備津神-なんだそうです。もっかどこんすいは相生です。こういうのも、昔の人の知恵であり、理解できない習慣ですが意識すると面白いです。
--
さて、岡山は旧国名でいうと備前、備中などに分かれていて、旧国にはその国の一の宮というのがあります。都内の人だと、埼玉の大宮という地名に一の宮の名残りを感じるかもしれません。
備前、備中、備後などの前中後は、京都に近い方が前というルールがあります。なので東日本だと越前、越後などで逆転します。
話がそれましたが、備前側、つまり京都側の一の宮が吉備津神社、備中側の一の宮が吉備津彦神社で、その間には中山という小山があり、吉備の中山と呼ばれます。わずか2kmくらいの距離に一の宮が2つもあることに、この中山の大切さが感じられます。
--
さて、吉備の国(三備)の一の宮でもある吉備津神社と比べると、吉備津彦神社はやや知名度が低いかもしれません。
ただ、個人的にはこの神社にはかなり見どころがありました。
まず、備前焼の狛犬が招き入れてくれます。
次に境内図を見ましょう。
神社の拝殿は東か南を向くことが多いそうですが、この神社は右下の方位を見るとわかるように北東を向いています。これはやや特殊で、夏至の日に太陽を真正面から迎えるような向きだそうです。
夏至の日の太陽の向き、、、理科を勉強した経験がないため、検索したところ中学受験レベルの知識のようです。夏至の日の出は北東なんですね。(知らなかった。)
また、それを重視してなのか、本殿、渡殿、祭文殿、拝殿と4つが一直線に並んでいるのもなかなか特徴的です。
随神門を入ってすぐのところにある灯籠は、日本一の大きさだそうです。灯籠や鳥居なども奥深そうなのですが、現時点では突き詰めきれていません。
個人的に、入ってすぐの池が見どころでした。
神池の⑯亀島神社の奥に環状列石があり、古代祭祀場とあります。自分はパワースポット的なものからは何も感じ取れないタイプなのですが、この⑯のあたりからはなんだか分からないけれども、すごい良い場所という感覚を得ました。ほとんどの参拝客が素通りでしたが、立ち寄る価値ありです。神社ももちろん良かったですが、この神社でここだけはいけと言われたらこの場所です。
神社のサイトでは、中から撮影してる!
その他は、摂社エリアです。
ここは、天満宮から始まり、本殿より古い子安神社と、よくある摂社が多いのかなと思いましたが、なかなか見慣れないものが多かった。
神社のサイトを見ると、「吉備の冠者と呼ばれ、吉備の国に製鉄産業などの技術を広め、国を豊かにされたといわれる温羅命様」とあります。桃太郎伝説の「鬼」の印象とは随分違って、命なんですね。ここには温羅神社という摂社もあります。
最後に、ここの神社では、こんな風に昔話おみくじがありました。面積が人気。表していますが、左上のお爺さんお婆さんがマニアックですね。
鹿島神宮では、鹿のおみくじがあったので、こういうのは流行っているのかもしれません。
吉備津彦神社についてはここまで。今回訪問してみて、吉備津彦神社と吉備津神社を山越えしてハイクするのが一番楽しそうだと感じましたが、まさにハイキングコースとして紹介されているようでした。
次回は吉備津神社の鳴釜神事について書くつもりです。
以下、とても素晴らしいnoteを書いている方がいましたのでシェア。