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「開発」とはなんなのか-組織開発(2)
組織開発の「開発」という言葉に違和感がある。組織を開発するというのはどういうことなのか。
きっと、organization developmentの和訳が微妙なのに違いない。devolopmentとはどんな意味なのか。
ここで生物的な話がやっと登場する。ダーウィンに先んじて「進化」を扱ったチェンバースは進化を「development」という言葉で示したそうだ。この和訳には開発ではなく「発達」があてられる。組織発達。少ししっくりくる。開発だと提供者の影がチラつく。
その後、スペンサーがevolution(進化)を用いることになるが、発達は段階的なものだ。非連続な変化を普通はしない。だから、進化には進歩を内包するのである。
ここで2つわかることがある。まず、developmentとは介入の主体(人事や外部ベンダー)が組織を「開発」してあげるのではなく、組織ないしはその構成員によって自ら「発達」するものだということだ。もう一つは、進歩には進歩が内包されていることだ。(余談だが、改善と改革についての認識も改める必要があるかを考えさせられてしまった。)
組織を生き物の体になぞらえ、社員を細胞と見立て、長い時間をかけて一生を終える有機体として見てみよう。それにどうアプローチするかを考える際には、内部の免疫的なものと、外部の投薬的なものがあるだろう。たま、外部の結局投薬は内部を強化するものでしかない。結局は、免疫的なところでなんとかするしかない。だって、主体は組織だから。病気を治すのは最終的には医者ではなく、本人なのである。
「組織開発者」みたいな「外部者」の存在に違和感があるのは、外部なのに内部ぶっているからかもしれない。また、組織改革といって旗を振るのにもどことなく違和感があるのはこれと同じ理由だろう。
もう一歩進めてみる。
developとは包みを解くこと、封筒をエンベロープというのでvelopが包みであり、deがつくから展開するという意味なのは分かりやすい。となると、組織を「開発」するのとは大分意味の違いがあると感じないだろうか。
少し「生物」っぽくなってきたところで次回に続く。