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初期設定の愛 46.崩壊
そのまま10日ほどが過ぎる。
LINEの頻度は落ちたが、たまにする。お互いに返事も早い。
こんな関係のままでもいいのではないか。そうも思う。
出張で、彼女の住む街の近くへ来た。といっても、もうあと車で30分くらいはかかりそうだ。
何気なくLINEをした。なにげないいつものLINEのやり取り。
” 会 い た い。” 心の声を文字にするのを必死に抑える。
もうすでに会って旧交を温めた。気持ちは伝えただろ!
ここまでだ。もうここまでだ。 耐えろ!我慢しろ!
(そんな声がかすかに聞こえている。)
ー LINE文面 ー
Y か N どちらか 直観で選んでみて、直観だよ、考えないでね。
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この答えに従おう。そう決めた。
” N ” すぐに返信がきた。即答だ。女神らしい。
自分なりの賭けだった。 彼女はYの意味もNの意味もわかっていない。
適当に選んだんだろうか。
自分の中で、【YはYES(会いにいく) NはNo(会わずに帰る)】そう決めていた。
わかった。会うな。そういうことですね、天に尋ねる。
・・・・答えはなかった。
さて、
今まで、一度でも何か大きな流れみたいなものに逆らって、自分の意志で何かチャレンジしたことがあるだろうか?
天の意志、そのようなものがあるとして、それに従い続けるのか?
それでいいのか?
それを打破するのが、自分の課題なんじゃないだろうか。
そんな思いがもたげてきた。
自由意志があるだろう。それは認められるはずだ・・・。
地獄いき?それでも結構だ・・。業火に焼かれる覚悟だ。
どうしても会いたいのだ。彼女を愛している。心の底から愛している。これには迷いがない。43年程、ずっとだ。
安全な車内からただ、外の景色を眺めているだけの人生、それでいいのだろうか?
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それを打破したい。
ここからは自己責任だ。
いいじゃないか!
よし、もう一歩すすんでみよう・・・・。そう決めた。
天の意志、宇宙の意志、これに反抗してやろう。
(ちょっと大げさだが、このときは何か理由が必要だった。)
どうしても会いたかった。これが最後になるかもしれない(そんな予感がある。)・・・・。でも会いたい。
抑えられない衝動がある。
高速道路を飛ばす。ギリギリのリスクで飛ばした。早く会いたい・・・。
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距離感、価値観、人生観、倫理観、筆者側の甘え、いろいろとすべて間違えた。
食い違った。
そもそも、再会し旧交を温める。ただそれだけのつもりだったんじゃないのか?
改めて離婚を迫られた。これに対しは、やはり答えがない。
うれしさ100%だった。想定外のうれしい誤算だったのだ。
いやまて、想定はできていたはずだ。想定することを止めたのだ。
だから会えた。それも事実だ。
いろいろなんやかんや考えすぎて、40年程もかかってしまったのだから。
だから、再会したことに後悔などはない。
彼女は傷ついた。私が傷つけた。
その繊細さは異常事態なのだ。
筆者の、甘えっぷり、傲慢さ、鈍感さ、非常識さ、軽薄さ、礼儀知らず、社会悪、まさに異常事態だ。
「すべては幻・・・すべては幻・・・・すべては幻・・・すべては幻だから。・・・・・・・(何度もくりかえす)・・・」
「ただ相談にのっただけ、ただ相談にのっただけ。同級生の相談にのっただけ。ただそれだけ・・・・。」
私の横で、瞼を閉じて、祈るようにして呟いている。
何かを吹っ切ろうとしている。
そして何度も大きく息をはいた。
コージ君は時空を超えてやってきたただの幻・・・。
自分自身にそう言い聞かしているようだ。
もともとそんなものは存在していない。
そう自己洗脳しているようにも感じた。
(筆者もそうであってほしい ( ;∀;) )
この時点で、筆者はすでに事の重大さに気づいている。
ただ、この時点では、まだ挽回できる。そう信じてもいた。
(こののちに、自分の愚かさ、甘さを痛感することになる。そして、七転八倒の苦しが始まることになる。当然のことだ。不服はない。)
・・・・・・
魔法がとけたのだろうか。
結局、これが38年ぶりの再会を果たしたあの日を含めて”3回目”。
この後、連絡がつかなくなった。
既読無視 だ。
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宇宙(ハイヤーセルフ)さんからの ”3” というメッセージ。これを思い出した。(注)
” あ゛っ、しまった。” 全て予定どおりなのだ。筋書どおりだ。
やはり、まな板の鯉なのか?
とにかく泣けて泣けてしょうがない。
何が正解なのか? それがわからない。
仕事にはとても集中できない。
それでも世界は動く。住宅ローンの引き落としもある。
電気代も上がってる。ガソリン代も高い。
働くしかない。かならず朝がくる。
しばらく落ち着いていた体調面、ふわふわしたような感じをともないながらのあいかわらずの変性意識状態だし、高音の耳鳴りは昼夜問わず響き続ける。これが激しさを増してきた。
胸のチャクラが痛む。何かが徐々につまってきているようにも感じる。
胸がはりさけそうなのだ。これはいったい何だろうか。
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このころからしばらくは仕事では失敗続きとなる。
遠路はるばる500Km出張して、備え付けた装置がうまく動かない。それを持ち帰り、一人で修理をする。泣きながら。
納期はもう間に合わない。こんな不祥事は始めてだ。
仕事に意識が向けられない、こまかな注意が払えないのだ。
人に話かけられても、遠くの方からかすかに聞こえてくるような感じだ。
この状態がしばらく続くことになった。
また、突然の眠気や胸の痛みがいまだ頻繁にある。
最後に女神に会った時、どうもこれらの症状は彼女にもあるらしいことがわかった。
詳しく聞くと、どちらも似た症状だ。
井上陽水さんの【傘がない】 このころ、よくこの曲を聞いていた。
涙の量は有限なのだろうか? 無限なのだろうか?
注:38.魂の成長 でうけた ”3” というメッセージ。
47.スーパームーン 狼男と狼女 へつづく
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