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本を出したい【#15何があってもマイペンライ!】

昨日、佐藤友美(さとゆみ)さんの『本を出したい』出版記念イベントに参加した。著者さとゆみさんと担当編集者のりり子さんから出版の裏話を聞いた。

この時代に本を出す意味は何かという話題で、さとゆみさんは「本はゆっくり思考することに向いている」と言った。

なるほどと思った。日々のニュース、効果的なダイエットの仕方、英語学習法。答えは全てWeb記事やSNS、YouTubeに載っている。瞬時に、しかも無料で答えにアクセスできる時代を、僕たちは生きている。

それ自体は素晴らしいことだ。しかし、今が豊かな時代かと聞かれると、なんとも言いがたい。

今の世の中には答えが多すぎると、僕は思う。誰かに教えられた正解を追いかけるのが、幸せな人生なんだっけ。ちゃうやろ。

決められた正解を追いかけるだけにしては、人生はあまりにも長すぎる。ありとあらゆる思考をめぐらせ、自分なりの正解を出していくプロセスにこそ、人生の醍醐味があると思う。

そして、思考を促すのは良質な問いだ。現代が豊かではないのだとしたら、それは問いが圧倒的に不足しているからだろう。インスタントな答えであふれているから、問いが生まれないのだ。

では、問いはどこにあるのか。本の中にある。書籍には、著者の執筆時点での1つの答えが書かれているが、それは絶対的な正解ではない。本を読むと、答え以上に新たな問いに出会える。

なぜ本を出したいのか。どうすれば本を出せるのか。本を出すと自分はどう変わるのか。

一見すると、これらの答えが『本を出したい』には書かれている。だが、本当の意味での正解は書かれていない。

お金を払って1冊読み切ったけれど、威勢のいい答えは得られなかった。むしろ僕の手には問いが残っている。ああ、豊かだ。

本を出したい。その気持ちは強くなった。けれど、なぜ本を出したいのか。自分が本を出す意味は何か。この問いをもうしばらく考え続ける必要がありそうだ。問いへの自分なりの答えが見つかったら、本を出したい。


※この記事は2024年3月27日にTwitterにて公開したものです。


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岡村幸治(コージー)
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