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相談された悩みが本当の悩みでは無いから、それを解決しようとするとおかしくなる件

夫婦間で、妻が夫に困り事や悩みを相談した際、大体失敗するのは、妻の悩みの本質が別な所にあることと、夫がすぐに解決しようと急ぎすぎるからだろう。

夫はその問題点を仕事の様に片付ければミッションクリアだと思っている。

仕事をしていればこそのあるあるだ。

夫婦間は仕事のように軌道に乗せるのは難しい。

感情は生もので、日々変わる。

結婚して子ども中心で変わる生活、変わる人間関係。

仕事でもないのに、関わらなくてはいけなくなるママ友関係。年齢、生活水準、趣味趣向が全然違う、学生時代なら近づかなかったであろう女性たち。それでも仕事なら割り切って乗り切れるのだが給与が出るわけでもなく、子どもの事でマウントを取ってくる人もいる。子どもを幼稚園に行かせるだけなのに、精神的ストレスを抱える理不尽。誰しもママなら多かれ少なかれ一度はこんな経験をしたのではないだろうか。

子どもの事で相談したら、それはママ友との人間関係に悩み疲れているからかもしれない。

ママ友の事で相談されたら、子どもの成長のことで悩んでいるのかもしれない。

そんな具合に表面的な悩みだけを相談されているかもしれないのだ。

表面的な悩みを解決しても、根本的な問題が残っているため、問題全体が解消さない。

また、妻が本当に必要としているのは、単なる問題解決ではなく、共感や感情の理解かもしれない。悩みを聞いてアドバイスを与えることよりも、まずは「しっかり話を聞いてもらうこと」で相手が安心し、自己理解が進む場合がある。

解決策を急ぐよりも、まず相手の感情に寄り添うことで、本当の問題に気づくきっかけが生まれるかもしれない。


あとは、相談された内容が本当の悩みではない場合、その解決策がかえって問題を複雑にすることがある。

例えば、「育児で時間が取れず、家事がこなせなくて困っている」と相談されたとしよう。そこで夫が時間管理のアドバイスを行ったとしたらどうだろうか。

これは極端な例だが、表面的な悩みに基づいたアクションを取ると、根本的な問題がさらに悪化することがある。相手が望んでいない方向に物事が進むと、フラストレーションや混乱を招き、さらに問題が深刻化する可能性があるのだ。


また、相談者自身が本当の悩みに気づくには時間がかかることがあり、その過程で表面的な悩みからスタートすることはよくある。

そのため、すぐに解決策を提供するよりも、相手の話をじっくり聞き、質問を投げかけることで徐々に核心に近づけることが大切だ。

どう対応すれば良いか。

1. じっくり聞く

相談を受けたときは、まず話をしっかりと聞く。表面的な問題だけでなく、話の背景や感情の部分に耳を傾けることが重要だ。急いでアドバイスを与えず、「もっと詳しく教えてくれる?」と促すことで、相手が自分の本当の悩みに気づくきっかけを与えることができる。


2. 共感する

「それは大変だね」といった共感の言葉をかけることで、相手が心を開きやすくなり、深い悩みを話しやすくなる。解決策をすぐに提示するのではなく、まず相手の気持ちを受け入れることで信頼関係を築く。


3. 質問を使う

「なぜそう感じるのか?」「それはいつから始まったのか?」といったオープンな質問をすることで、相手が自分の気持ちを整理し、深い問題に気づくのを助ける。これによって、本当の悩みが浮き彫りになることがある。


4. 解決策を焦らない

相手が本当に何を求めているかが明確になるまで、具体的な解決策を急がないようにする。時には、ただ話すだけで相手が自分で解決策を見つけることもある。アドバイスを与えることが必ずしも必要ではなく、話すプロセスそのものが重要な場合も多い。


最終的には、相手の話に寄り添いながら、時間をかけて本当の問題にアプローチしていくことが大切だ。

さて、相談をされる方にばかりフォーカスしたが、「相手が全然分かってくれない!」と感じるなら、それは相談する側にも責任があるはずだ。

相談する側として、悩みをうまく伝えるための考えのまとめ方を意識すると、相手が適切な助言をしやすくなり、自分自身も問題をより深く理解できる。

先の例で「育児で時間が取れず、家事がこなせなくて困っている」と相談する場合でも、ステップを踏んで準備をすれば、ここで夫が時間管理のアドバイスを行うことは無くなるだろう。

以下は、相談前に自分の考えを整理するためのステップだ。


1. 悩みを具体的にする

まず、抱えている悩みを具体化しよう。漠然とした不安やストレスを抱えている場合は、そのまま話しても相手が理解しづらく、適切な助言を得るのが難しい。

以下の問いを自分に投げかけてみよう:

• 何が問題なのか?(例:仕事、対人関係、健康など)
• いつからその悩みが始まったのか?
• どのような状況で悩みが強くなるか?

これによって、自分が抱える悩みが具体化し、相談する際に話しやすくなる。




2. 感情と事実を分けて整理する

悩みには、感情的な部分と事実的な部分がある。どちらも重要だが、混同してしまうと話が複雑になり、相手も理解しづらくなる。

• 事実: 具体的に何が起こったかを整理する。(例:うちの子どもだけが椅子に座っていられず出歩いていた)
• 感情: その出来事に対して自分がどう感じているかを考える。(例:不安、イライラ)

感情を把握することで、自分が何に一番苦しんでいるのかがより明確になり、相手も共感しやすくなる。


3. 期待や目的を考える

相談を通じて、何を求めているのか、どんな結果を期待しているのかを事前に考えておくと、相談が効果的になる。

以下の問いを考えてみよう:

• アドバイスを求めたいのか?(例:具体的な解決策が欲しい)
• 共感や理解を求めているのか?(例:誰かに話を聞いてもらい、気持ちを整理したい)
• 一緒に問題を考えてほしいのか?(例:複数の視点からどうすれば良いかを考えたい)

相手に自分の期待を伝えることで、相談の内容に対して適切な対応をしてもらいやすくなる。




4. 優先順位をつける

悩みが複数ある場合、それらをすべて一度に話すと、相手が混乱してしまう可能性がある。どの悩みが最も重要で、自分にとって今解決すべき問題なのかを考え、優先順位をつけることが大切だ。

• 最も気になっていることは何か?
• 他の悩みとの関係性はあるか?
• 今すぐに対処したい悩みはどれか?

優先順位をつけることで、相談の焦点が絞られ、効果的な話し合いができる。紙に書いてまとめよう。考えも整理できる。



5. 自分でできることを考える

相談する前に、自分がすでに試みたことや、これから試そうと考えていることを整理しておくと良いです。これによって、相手に自分の状況をより詳しく説明でき、より具体的なアドバイスを受けることができる。


• すでに試したこと(例:担任の先生に相談した)
• 自分でできそうなこと(例:専門機関を探すこと)

これにより、相談が建設的なものになり、相手もあなたの状況を理解しやすくなる。



6. タイミングと場所を選ぶ

相談する内容が深刻であったり、感情が絡んでいる場合、適切なタイミングと場所で相談することも重要だ。落ち着いて話せる環境を選ぶことで、より冷静に自分の考えを伝えられる。

まとめ

1. 悩みを具体化する
2. 感情と事実を整理する
3. 期待や目的を明確にする
4. 優先順位をつける
5. 自分でできることを考える
6. タイミングと場所を選ぶ

これらを考えながら相談の準備をすると、話がスムーズになり、相談相手も適切にサポートしやすくなる。


相談する側も苦しんでいると思うが、相談を受ける側も精神を疲労する。胆力がいるので、表面的な解決方法でやり過ごしたくなるものだ。それを重々承知した上で、建設的な話し合いができるよう相談をするための準備を整えよう。

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