育児記録1
書籍『うちの子になりなよ』の元になった育児記録を今も続けています。大体2週か3週に一回、印象に残っている事を書いています。漫画を描くときはこのテキストからネタを拾って描くことが多くて、ネタバレになってしまうのですが、よかったらお読みください! あまり推敲もしておらず長いです。
うーちゃんと公園でボール遊びをするのも何度目かになるのだけど、相変わらずボールを持ったら誰にも渡さずひたすら持ったまま逃げるという遊びに終始している。ボールを二つ持って行ったらぽんこちゃんも同様に持ったら放さないので、3つ目のボールを持って行った。それを使ってママとキャッチボールをして見せているうちに、楽しそうだなやってみようという気持ちになるのかと期待した。ところが、3つ目のボールまでもうーちゃんが拾うと持ったまま逃げて放さない。一体なんだというのだ。人が投げて遊んでいるボールが欲しくなってしまう心の病なのかと不安になる。
僕自身、キャッチボールは下手だ。もっと上手に速くて鋭い球を狙った場所に投げられたらどんなにいいだろう、もっと遠くに投げてみたいと考えているのだけど、下手は下手なりに楽しい。特に上手な人とのキャッチボールは相手が合わせてくれて取りやすい球を投げてくれるし、変なところに投げてもうまい具合に獲ってもらえる。自分が投げた球を相手が獲ってくれたり、相手の球を獲るだけでなんでこんなのが面白いのか意味は分からないのだけど、すごく楽しいので毎日したいくらいだ。もっと上手だったら草野球チームに入ったりして、楽しみが広がるというものだ。うーちゃんにもそんな気持ちになって友達を作って欲しい。
うーちゃんは、ボールを持ったまま逃げ回る遊びで、ぽんこちゃんも無理矢理ボールを奪うとすごく怒って涙をポロポロとこぼして泣く。ぽんこちゃんは、洋服をせんべいを半分に割るだけでも涙を流して泣くので大した問題ではないのです。
うーちゃんは公園にある大きな滑り台が好きなのだけど、高くて怖いから一人では滑り降りることができない。そのため僕に一緒に滑ってくれるように頼むのだけど、その際に、
「じゃあ、一回ボールをとるのがうまくできたら滑るよ」
と言ってみた。すると、素直にキャッチボールに応じた。そっと山なりのボールを投げると両手と胸や顔をつかってとろうとするけど、なかなか上手に取れず落としてしまう。ほんの2メートルくらいの距離だ。何度かやってようやく取れて滑り台を一緒に滑った。
あまりにあっ気なくキャッチボールに応じたので、帰り際駐車場の横にある自販機でジュースを飲みたがった時にも言ってみたら、応じた。さっきより少し遠い3メートルくらいの距離で山なりのボールを何度も落としてようやくキャッチして、Quuのリンゴを買った。次からは「2回とったら」とか「5回とったら」にしてみよう。しかし、このような交換条件でやらせるのもいかがなものだろう。純粋にキャッチボールが楽しいものだと感じる日は来るのだろうか。
ぽんこちゃんが咳をしていてママが小児科に連れて行くと咳喘息とのことだった。熱はなく風邪ではないそうで翌日も保育園に連れて行った。ところがさらに翌日、熱が38.5度も出た。ママはバイトに出かけたので僕が掛かりつけの小児科に行くと4~6時間待ちで、仕事もあったので、空いている方の小児科に連れて行った。ぽんこちゃんはお医者さんがなぜか苦手でお腹を出して聴診器を当てたり、口を開けて喉の奥を見てもらうのも嫌がって泣く。しかしこの日は全然泣かなかった。体重を測る時だけ嫌がって体重計に上がろうとしなかったので、僕が抱っこして測定して、ぽんこちゃんを下した後に僕の体重を測って引き算するやり方をした。12キロだった。うーちゃんは5歳で今16キロ。身長は頭一つ分違うのだけど、ぽんこちゃんはでかい。うーちゃんが小さいのかもしれない。熱は幸い翌日には下がった。咳は出ていて、うつらないように気を付けていたのだけど、寝かしつけの時に添い寝で顔に咳を浴びせられ、呼気をそのまま吸うようなことをしていたらうつった。喉が痛くて、咳をするたびに痛い。ぽんこちゃんは咳をしていても熱があっても元気だった。
お風呂の壁に、ママが九九の表を貼っていたので、上がる前に読むことにした。5歳で九九なんて早すぎるような気もするのだけど、数を数えるのも飽きたのでその代わりにした。1の段からだと後半に苦手意識が芽生えそうなので、9の段からやることにした。ひらがなは読めるので、自分で読みたがったのだが、リズムや音で覚える方がいい。
「パパが言うから繰り返して、うーちゃんは数字を見ていて」
僕が読んで数字を指で指し、うーちゃんが複唱する。指した数字を見ているかどうかは分からない。復唱が不正確なところは何度か繰り返す。そうして毎日1段ずつ新しいところと復習をして、5の段まで来た。こんなので覚えるのだろうか。
ぽんこちゃんは『となりのトトロ』ブームは落ち着いて『アンパンマン』を見たがるようになった。
「アパマンがいい、アパマンみる」
ガス爆発を起こしたアパートの仲介業のような言い方で、朝早い日は6時半に僕の部屋に現れて言う。BS日テレで放送している1時間番組の『アンパンマンクラブ』を毎日録画している。
「おねえさんのママがいい」
この番組は、りさおねえさんが最初に現れて、子どもと一緒に踊るところから始まるのだけど、りさおねえさんのところが一番好きで、「なんかいもみる」と言うので面倒だ。どうにか7時まではこの番組を見てもらって、もうちょっと寝ていたいのだけど、見ている間にうんちをすることもある。
「パンがいい」
テレビに飽きると、パンを食べにリビングに行きたがり、仕方がないので起きる。
ぽんこちゃんはママのベッドの横のベビーベッドで寝ているのだけど、朝目が覚めると自分でベッドを降りて部屋を出て僕の部屋にやってくる。ドアノブは開けることができたりできなかったりなので、完全に締めないでおく。ドアが締まっていて、ドアノブを開けられないと「あけてー、あけてーよー」と怒鳴られるからだ。起こされると、トイレに行きたくなるのでアンパンマンを見せて、トイレに行ってリビングの暖房を点けて、洗濯機を回して、ドライアイで痛いので洗面所で目を水道水で湿らして、アンパンマンを見ている間、ちょっとだけ二度寝する。
うーちゃんが拳銃のおもちゃで、「バンバン」と言いながら僕を撃っているとぽんこちゃんも拳銃のおもちゃを持って「バンバン」と言って僕を撃つ真似をする。うーちゃんはヒーローものでそのような場面に親しんでいるのだけど、ぽんこちゃんはうーちゃんの真似をしているようだ。僕は「うわ~」と言って両手を上げる。それがどうやら楽しい行為だとでも思っているようで「やって」と言って拳銃を僕に手渡すので、ぽんこちゃんに向けて「バンバン」と言って撃つ真似をすると、ぽんこちゃんも両手をあげて「わー」と嬉しそうに言った。
ぽんこちゃんは食事に飽きると、食べ物で遊び始めたり、スプーンを投げる。そんな行為を母が咎めて「いけません、この手が悪い」と言ってぽんこちゃんの手をペチンと叩いた。僕は児相さんから言われて体罰は厳禁なのだけど、母は違った常識で生きており、ためらいがない。僕もそのくらいはいいと思う。
ところが、ぽんこちゃんは手を叩かれると、怒って母の手を叩き返した。
「普通は、こうやって怒ると泣くもんだよ。この子は」と、母はそのくらいの体罰ではひるむどころかやり返すぽんこちゃんに呆れていたのだった。
おにいちゃんの真似をして箸を使いたがるのだけど、全然上手に使えず、結局手づかみでお椀の中のものを食べて手をべちょべちょにして、一回口に運ぶ度に僕にティッシュで拭かせる。3歳くらいになればきれいに食べてくれるようになるだろうか。うーちゃんはついこの間まで、汁物も手で触って食べていたような気がする。
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