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【シナリオ】100万円当たったら何する?って話。

〇ミュージカルスタジオ。
朝練に来たなずな、ゆうり、深雪は、ストレッチをしながら談笑をしてる。

なずな「ねぇ知ってる?」
ゆうり「知らない。」
なずな「スタジオの近くにある宝くじ屋さんあるじゃん?あそこから当選者出たんだって。」
ゆうり「へー、すげ。」
深雪「いくら?」
なずな「1等だから、確か…。」

ゆうり「…3億じゃね?」
深雪「3億!?!?」
なずな「ほんとに??」
ゆうり「1等と言えば3億だろ。よくCMで言ってんじゃん。」
なずな「それ年末ジャンボだけな気がする。たしか普通のシーズンはもうちょっと、たしか、3,000万とかじゃなかった?」
ゆうり「あ、そんななんだ。」
深雪「そんな!?何その金銭感覚。」
ゆうり「いや、3億に比べたらさ。」
なずな「それに最近は年末ジャンボももうちょっと値段上がってて、7億とかになってるんだよね、確か。」
深雪「ナナオクゥウウウゥ!?!?」
ゆうり「なんでそんな詳しいんだお前、回し者?」
なずな「いや、パパが好きで宝くじ。」
ゆうり「当たったことあんの?」
なずな「昔ね、パパのパパが、うちのおじいちゃんが1等を当てたことがあって、それから何かいいことがあった日には必ず買うようにしてるんだって。」
ゆうり「へー、すげーな。うち買ったことないわ。深雪は?」
深雪「無いわ…当たることあるのね、ほんとに。知ってたら買ってたかも。」
ゆうり「当たらないことはねーよ、それは詐欺。」
深雪「でも信じられないじゃない。テレビ番組の抽選10名様もほんとに当たってるのか正直疑ってたもの。」
ゆうり「当選者いなかったら問題になってすぐその番組終わるから大丈夫。」
深雪「そんな簡単に発覚するもんかしら。てか、なずなのお父さんは今回の宝くじ買ってたの?」
なずな「買ってたよ!」
2人「「え!?」」
なずな「でも普通に参加賞だったよー。1等出たとこじゃない店舗で買ってたしね。」
ゆうり「いーなー、当たってみてーなー、宝くじ。」
なずな「ゆうりは当たったら何する?7億円。」
ゆうり「7億かー、想像つかねーなー。一生寝て食っていけるってのは確かだけど。」
なずな「でもせっかくならなんかでドカンと使いたいよね!」
ゆうり「んー、スタジオ建てるかな。あたしだけの、プライベートスタジオ!防音で、鏡張りで、ホールみたいに広くて、超思いっきし歌って踊れるとこ。」
なずな「わぁーいいね!!夢あるね!!」
ゆうり「なずなは?」
なずな「んー、…世界一周して、色んな国のミュージカル観たいかも!!」
ゆうり「あー、それアリだな!」
なずな「だよね!!アメリカとかイギリスとかの有名どこだけじゃなくて、韓国とか中国とかもどんな舞台やってるのか気になるし!」
ゆうり「まずは言語勉強しなきゃだな。」
なずな「あ、そっか。頭脳をまず買うべきか。」
ゆうり「アホか。」
深雪「全く、生産性のない会話ね。」
なずな「生産性?」
ゆうり「夢を語ることほど楽しいことねーからな。生産性とか気にしたら負けだから。」
なずな「深雪は?7億円当たったらどうする??」
深雪「はぁ!?」
ゆうり「そうだよ、答えてみろよ。」
深雪「そんなの普通貯金にーー
なずな「でも、貯金って答える人って夢無いよねー。」
ゆうり「この会話で1番つまらない答えだよな。」
なずな「現実になっちゃうよね、これ夢語るやつだから。」
ゆうり「そそ。な?深雪?」
深雪「う、うう…。あったりまえでしょ!そんな平凡な答え、この週最優秀かつ超プリティーなみゆちゃんがするわけないわ!」
なずな「はいはい。」
ゆうり「で???」
深雪「で…。あ!!ツアーよ!!」
2人「つあー?」
深雪「みゆちゃんのライブコンサート全国ツアーを開催するわ!!全部ドームで!!ドームツアーよ!!」

シーン。

深雪「ちょっと!!なんか言いなさいよ!!!」
ゆうり「いや、そういう夢じゃ」
なずな・ゆうり「「ない」」
なずな「それは現実味が」
なずな・ゆうり「「ない」」
深雪「はぁ!?夢見ろって言ったのあんたたちでしょ!」
なずな「夢にも程があるよ。だってそれ開催できたとしても、人集まんなかったら意味ないもん。」
ゆうり「バスバス言うじゃん。」
深雪「うぐぬ、、。」
ゆうり「もっとなんかこう、スイカ一年分食べる!とかさ、そんなんでいいんだよ、そんなんで。」
なずな「うんうん。」
深雪「じゃあスイカ1年分食べるー!」
2人「「つまんなー。」」
深雪「はあああああ???」
ゆうり「例えをそのままアンサーにするってお前あれか?小学一年生か??」
なずな「いやいや、今どき小学一年生でもオリジナリティある答え出してくるよ。」
深雪「バカにするのも程々にしなさいよ💢 じゃああんた達のほかの答えを聞かせなさい!宝くじ当たったら!」
なずな「別荘を買おうかな!軽井沢と、沖縄と、あと外国のどっかに!イギリスとかいいかな!」
ゆうり「あ、最高だなそれ!気分に合わせて行くとこ変えてな!」
なずな「そうそう!」
ゆうり「あとはあたしは…。あ、ディズニーランド貸切!」
なずな「あー!いい!!めっちゃ夢ある!!」
ゆうり「スクールのみんなで貸しきれたら最高だよな!」
なずな「わかる!超最高!スプラッシュループする!!」

深雪、真顔で2人が盛り上がっている様子を見つめる。

ゆうり「はい。出したぞ、2つ目。」
なずな「次は深雪だね。」
深雪「えー…。」
ゆうり「2回目だからな。」
なずな「これは期待できるね!!」
深雪「…。あ、全国の恵まれない子供たちに、寄付しようかしら。あ、いいじゃないこれ。寄付!!!」
2人「「あー。」」

深雪「…なんか言いなさいよなんか!!!」
なずな「いや、すごいなーと思って。ね、ゆうり。」
ゆうり「うん、すげぇ。それ本当にやったらすげぇ。それ多分、有名人になるよ深雪。」
なずな「新聞載りそうだよね。」
ゆうり「わかる。」
深雪「…なんでそんな真顔なのよ。え、いいアンサーなの!?どっちなの!?!?」
ゆうり「いや、いいアンサーだと思うよ。な?」
なずな「うん。」

なずな「違う話しよっか。ね。」
ゆうり「そうだな」
なずな「今日の夕飯なんだろなー」
深雪「ちょちょちょーい!!ちょい!!ちょい!!」
ゆうり「なんだよ。」
深雪「言いたいことあんなら言いなさいよ。」
ゆうり「はぁ?」
深雪「あるんでしょ?なんか。」
ゆうり「…まぁ、、。えー。」
なずな「どっちかっていうと、、ないんだよね。」
ゆうり「いや、ベストアンサーだと思うよ。ただな、現実味。」
なずな「わかる、現実味!」
ゆうなず「「宝くじの話に、現実味は要らん!!!」」
ゆうり「かっこつけようとすんなよ!!もっとこう、欲望に忠実になれよ深雪!!」
深雪「じゃあドームツアーするー!!」
なずな「だからそれは忠実すぎなんだって!!現実味が無さすぎるんだって!!!」
深雪「無くていいって言ったじゃない!」
ゆうり「無さすぎるとしらけんだよ!!間を取れないのかお前は!!」
深雪「じゃあソーダのプール作るー!!そこに入るー!!泳ぎながらソーダ飲むー!!」
ゆうり「やけくそか。身体ベットベトになるぞ。」
深雪「現実味与えてんのあんたの言葉だからね!!」
ゆうり「よーしこうなったら、全員で宝くじ買いに行くぞ。」
なずな「お、いいね。」
ゆうり「これで本当に当たったらどうするかを考える。この方が現実味あるだろ!!」
深雪「あの、現実味はあるのとないのどっちがいいの。」
ゆうなず「「度合いによるの!」」
深雪「つーか宝くじ当たる方が現実味ないから!!それはいいの!?」
なずな「いいの!」
ゆうり「夢をみさせろ!」
深雪「あーもー、めんどくさいー!!!」


おしまい

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