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【シナリオ】そのあだ名はどっから来たんだよって話。

〇教室
9月の新学期初日。とある中学の2年3組の教室。
周りが夏休みの話題に花を咲かせる中、1人姿勢正しく座っている凪。

凪「…。」

その様子を机に寝そべった状態で見つめる、凪の隣の席の少女、朝。

朝「…家どこなん?」
凪「え?」
朝「どこら辺に引っ越したのかなって。」
凪「あっ、えっと、あの、神社の方。白戸神社わかる?」
朝「あ、あの辺なんだ。」
凪「う、うん。」
朝「私あそこ。あの、イオンの方行った?」
凪「あ、まだ行ったことなくて。でも何となく場所はわかるかも。」
朝「そっか。広いよ。田舎だから。その近くに住んでんだ。」
凪「そうなんだ。…。」

朝「あ、私朝ね。」
凪「朝?…?」
朝「名前。木下朝。」
凪「あ、名前。…朝ちゃんって呼んでいい?」
朝「うん。」
凪「わかった。」

沈黙。

鳴「ひっきー!おは!」

鳴、朝の後ろに周り、背中に抱きつく。

朝「暑い。」
鳴「冷たいなぁ。久しぶりの再会だってのにぃ。」
朝「先週会ったじゃん。」
鳴「学校では7月ぶりじゃん!」
朝「はいはい。」
鳴「えーねぇひっきー構ってよおおー。」
凪「ひっきー…。」

鳴、凪を見る。

凪「あっ!(口を抑える)ごめんなさい!」
鳴「転校生!そっか、ひっきーの隣だったんだ!私半田鳴!よろしく!」
凪「あ、よろしく、えっと、鳴ちゃん。」
朝「鳴ちゃん!?」
凪「え?違った?」
鳴「合ってる!合ってるよ!!(朝に)余計なこと言わないでよ?」
朝「はぁ?何言ってんだよ。」
凪「どうしたの、朝ちゃん。」
鳴「朝ちゃん!?!?!?何、あんた朝ちゃんなんて呼ばせてんの!?!?」
凪「え?」
朝「別に呼ばせた訳じゃ。そう呼んでいいかって聞かれたから。」
鳴「爆笑なんですけどwwwwww」
凪「…え、なんかまずかった??」
鳴「いや、全然www凪ちゃん?だっけ。凪ちゃんは全然悪くない。ひっきーが悪いwww」
朝「はぁ???あたしなんも悪くないだろ。」
凪「え、あ、あの、…え、ひっきー、なんですか?」
鳴「なんやねんその聞き方www」
朝「あーもうめんどくせぇ。」
鳴「そう、こいつひっきーなの。」
凪「…引きこもりの…?」
鳴「そゆことにしとく?」
朝「しとくな。ちゃんと外出してるだろ見ての通り。」
鳴「ひきわり納豆のひっきーだよ。」
凪「ひきわり納豆?」
鳴「(名前)朝じゃん?朝食じゃん?何食べるってなって、こいつ毎朝ひきわり納豆食べてんだって。だからひっきー。」
凪「だからの意味があの…。」
朝「気にしなくていいよ。こいつとか周りが勝手に呼んでるだけだから。」
鳴「嘘だい。今やこの学校のほとんどがひっきー呼びじゃん。ひきわり納豆のひっきー。」
朝「うるせぇ。」
凪「じゃあ私もひっきーって呼ぶね。」
朝「なんてこった転校生。」
凪「でも、何で納豆のなっちゃんとかじゃなくて、ひきわりの方を取ったの?」
鳴「納豆のなっちゃんは草。」
朝「オレンジジュースじゃないんだから。」
凪「あ、そっちを想像しちゃうのか。」
鳴「確かにね。朝食はオレンジジュースとともにって人多いから、そっちを連想しかねないね。だからやっぱりひっきーが妥当なんじゃないかな。」
凪「なるほどねー。」
朝「何冷静に分析してんだ、ホラチヨ。」
凪「…ホラチヨ?????」
鳴「はい!!ホラチヨとは私のことです!!!」
凪「…おぉ…!!(思わず拍手)」
朝「何拍手なんそれ。」
鳴「はい問題です凪ちゃん。」
凪「はい。」
鳴「なぜ私はホラチヨなんでしょうかー!!」
凪「…。本名??」
2人「「本名!!!」」
朝「え、じゃあ何、半田鳴はペンネームだったってこと???」
鳴「実は…あたしペンネームで学校通ってたんだ…っておい!!違うわ!!」
凪「あ、なんだ、違うんだ。」
鳴「当たり前でしょ。」
朝「意外と天然だな、転校生。」
朝「気をつけなね、なんか変なことを言うと直ぐにニックネームになるから。」
凪「は、はい。…ホラチヨ…ホラチヨ…食べ物かな。」
鳴「食べ物ではないな!」
朝「でも惜しくない?」
鳴「類はね、似てるよね。」
朝「うん。」
凪「え、何類?でも食べ物ではないの?」
2人「「うん。」」
凪「えぇ!?えぇ…えー…。」

凪、紙を出し、メモをしながら考え出す。

朝「ガチってんな転校生。」
鳴「あと10秒で答え言うね。」
凪「待って!!!!」
鳴「おぉ。」
朝「負けず嫌い。」
凪「…あ。わかったかも。」
朝「まじ?」
凪「こう?『ほら、ちょっと頂戴がちょっとじゃない』の略!食べ物の類ってことだから、ひとくちちょうだい的な意味かなと。」

朝、鳴顔を見合わせる。

凪「どう??」
鳴「んんんんん…!!!くっっっそ惜しい!!!正解は、『ほら、ちょっとちょうだいって言い過ぎ』でした!」
朝「いや、もう正解でいいだろ。」
鳴「良くないやい!食べる量と言う量はちゃんと区別すべき!違うからね!」
朝「こだわるなー。」
鳴「こだわらせて頂くよーここは。」
凪「食いしん坊なんだね、ホラチヨちゃん。」
朝「しれっと呼んだな、転校生。」
鳴「凪ちゃんもあだ名つけなきゃね。」
凪「え!」
朝「転校生でいいだろ。」
鳴「えー、よく…」
凪「よくない!!私もなんかいい感じの欲しい!」
朝「急に心開いてきたな。」
鳴「急に心開いたちゃん!」
凪「雑ー雑だよー。」
朝「そういえば凪って、うちのクラスにもう1人いんだよな。」
鳴「あ、そういえば。内田凪ってのがいんだよね。男子で。」
凪「へー。」
朝「あ、じゃあBでいいじゃん。2人目だから、凪B。内田が凪A。」
凪「私がB!?」
朝「当たり前だろ。」
凪「そうだけど…なんか2番手みたいで…。」
朝「いいじゃん2番手。2番手ってあだ名もいいな。」
凪「いいか!?!?え、ちょっとホラチヨちゃん、どう思う?」
鳴「んー…じゃあ、急に心開いたちゃんと、2番手をあわせて、急ココ2で!」
凪「映画のタイトルか!!!」


おしまい

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