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ちいさい小説をここにおきます。
マガジンタイトルには
十三夜 に
あとすこしで満ちるのだという
不遜な態度と
いまだみちず に
あと二日をじりじりと歩むようすを
表現…
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#掌編小説
掌編小説「ガラシャ殺し」
ーー侍女清原糸曰く
ガラシャ殺しーー清原糸曰く
こい瀬伊音
その茶碗を、「夫」は時々取り出して眺めた。正座した膝のまえに置き、ぬかづくようにしながら眺める。曲線、粒だった肌。釉の加減でくるまれたところと地肌を剥き出しにしたところ。ゆっくりと愛でたあと手に取った。つるりと丸みを帯びた側面から指のはらを這わせ、ざらりとの境目を撫でる。そのときには目を閉じていて、いえ、
「旅と器とプレイ宣言」
(イグBFC3提出作品)
初めての海外旅行はタイだった。スウィートナインティーンガールズ三人旅。
バンコクの街中で、先っちょがまるまってる文字が溢れてて、ここはどこ? がさっぱりわからなくなったとき、羅針盤みたいなアルファベットにはなかなか出会えなくて、私たちは途方にくれていた。
私とミユが地図をのぞきこんでは、ここちゃう? 違うって! とやってる間、ノンは野良犬の道路のわたり方なんかを