たくさんの人に祝われるという経験─色節
結婚して1年以内の花嫁が神社につどい、良縁感謝と末永い幸福を願うまつりがある。そこへ参列するため、ふるさとから旅立った年の5月、秋田へ舞い戻った。
母方のじいちゃんにも、父方のばあちゃんにも「足が悪いから結婚式には出られないかも」と言われていた。さらに父方のじいちゃんは施設にいて、とてもじゃないが遠出できない。
まつりに出たら、みんなに花嫁姿を見てもらえる。
そう思って戻ってきた。
日吉神社に集う20人以上の花嫁たち。参道を一緒に歩くのは夫やお母さんたちだ。
参道から見渡すと、家族だけではなく一緒に働いた同僚や仕事でお世話になった人、同級生の家族、ママさんバレーの仲間を見つけた。見ず知らずの人からも、「おめでとう」と祝福の言葉を浴びた。
人生で、こんなにたくさんの人に祝われる日はあるだろうか──。
幸せを願いにたくすより、あらゆる幸せに気づける人でいようと誓った。
( 写真は兄が撮影 / 日吉神社中の申祭 嫁見まつり )
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じいちゃんの施設の人たちの協力で、まつりの前に写真館で家族写真を撮ることもできた。
本当に忘れられない一日だった。
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