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春の食卓

うどが大好きだ。
この香りをかぐと「春が来た」と感じる。

私の地元は、その産地でもある。

先日、母が道の駅で買ったものを送ってきてくれたので、きんぴらと天ぷらにして食べた。

調理中から撮影しようかと思っていたのだけど、そんな器用なことはできなかった……。調理過程の写真を載せたレシピ記事とか書いている方々すごい。

きんぴら
天ぷら

先日、「うどってどんな味ですか」と聞かれたのだけど、うまく説明できなかった。「さわやかな味と香りで、似ているわけではないのですが風味の系統としてはセロリに近い気がします」と言ったのだが、今でもぴったりの説明が思いつかない。こんなに好きなのに。

今の時代、食材の旬はあれど産地によって収穫できる時期が違ったり、輸入されるものもあれば、ビニールハウスなどのおかげで通年収穫できたりするものもあるだろう。

そんな中で、「この季節しか食べられない」もののありがたさが自分の中で高まっている。

乾燥させたり漬物にしたり、厳しい冬の食材をどうにか確保しようと試行錯誤してきた先人たちの知恵と工夫を食から感じることもある分、瑞々しい春の食材はなんだかうきうきするような、嬉しい気持ちになる。

菜の花も大好物で、スーパーで見かけるようになると私より先に夫が「しおりちゃん、食べるよね」といってカゴに入れてくれる。家に帰ればおひたしを作ってくれる。

八百屋の息子だからか、私が作るおひたしよりもおいしいので、ありがたくお任せしている。

ただ、うどは夫にとって食材として馴染みがないそうで、私の担当。とはいえ、実家では母や祖母が調理してくれていたので、経験値は夫と変わらなかったのだけど。

今年もレシピサイトを見ながらなんとか作ってみた。

口いっぱいにほおばれば、春の香りが広がる。
だから、遠慮せずに大きな一口でもぐもぐ食べるのがいい。

地元の秋田をはじめ、雪が積もる地域で暮らす人にとって、春というのは特別な季節だろうと思う。「待ち侘びている」という表現がぴったりだ。

そんなふうに、東京の食卓から雪国の春を思っている。

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Koimizu Shiori
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