量子もつれ、アリゾナのPIMでも扱われていたっけ
先日、NHKで「量子もつれ」に関する特番を放送していたので、録画しておいたものを見ました。そもそもこうしたテーマを知ったのは、いわゆる「911」後に、再渡米してアリゾナ大学の統合医療プログラムに入った時でした。
すべてのプログラムのスタートとして、科学哲学的な講義から始まるため、クーンのパラダイムという用語を生んだ『科学革命の構造』(少し前に新版となりましたね)とともに、読むべきものリストに掲げられていたのが、EPRパラドックスに関する解説論文でした。
私自身、物理学専門ではないので、クーンのパラドックスまでは何とかなったものの、EPRパラドックス(そもそもこれは現在パラドックスではなくなり相関と称するのが妥当)から導かれる「量子もつれ」になると、当時、初心者向けの解説書などほぼ無い状態だったので、何を言いたいのかよくわからなかったのを今でも覚えています。その後、スピリチュアリティなどの場面で、こうした用語を目にすることが増え、「非局在性」との関連で、ワイルがプログラムの初めの哲学のところでこうした話題にふれていたのを理解するようになりました。
まあ、それでも、この話題を物理学本体から離れて、いわゆる医学関係の「こちら」の話題とリンクさせることについては、大いに文句がつくというのが現状でしょうが。(物理現象は物理の枠内で止めておくべきという医学側の主張は多いですよね)しかしNHKの番組でも、綜合ナレーションを宇多田ヒカルが務めていたことからも、そちらへも当然、波及するものとして制作者は考えているのは明白でしょうね。
最近、ファシア近辺で話題にしている、コラーゲン線維周辺の水分子のコヒーレント性なんかも生物物理系の研究者に噛みつかれるのも、そうした風潮の一環なのでしょう。かつて傷の消毒ナシが外科に受け入れにくく、当初の糖質制限が内科に受け入れにくかったことと似ていて、今後の展開が予想されやすい、とも言えますね。歴史はほんとに役に立ちますね…