マトリックス医学の概略
様々な観点でマトリックス医学を描出してきましたが、ここで現状での概略をまとめてみたいと思います。そもそもマトリックスは生物学的には細胞質などの表現として用いられていますが、一般的な意味での基質、母体、内容物に対しての梱包材など、幅広い意味を持ちます。ここではそうした広い意味でとらえていきたいと思います。梱包材(実体・実内容)といった形で列挙してみます。
1)ファシア<collagen, fascia, fibrosis> ⇔(組織・臓器)
2)物理・化学・環境<温度・気圧・環境因子> ⇔(人間)
3)微生物<ウイルス・細菌・真菌・寄生虫・腸内細菌> ⇔(ヒト)
4)細胞質<栄養・代謝> ⇔(細胞内小器官)
5)水分子
6)無意識<催眠・トランス> ⇔(意識)
7)対話<カンファレンス・組織論・OD・産業医等> ⇔(個人)
8)裏の体育<武術・丹田> ⇔(表の体育・スポーツ・トレーニング)
9)マトリックス性<作用・関係性・縮退論・過剰医療論> ⇔(実体)
他にも多々挙げられそうですが、とりあえずはここまで。背景というよりは、それ自体の実態を生み出す母体的な意味合いをもつマトリックス。これまでほぼ無視されていた存在であるファシアがまさにこの代表で、ファシアを考える中でこの基本構想ができあがりました。一見当たり前ではありますが、医学を超えて多くの分野において、新展開をもたらしうる概念であると思います。
そして、このマトリックスとそこから生じた実態との折り合い、それこそが統合医療のいうところの「統合」であると考えています。
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