第86椀 とうふとあおさのお味噌汁
初出:2021年5月10日
<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから
テーマ:好きな組み合わせ
「とうふとあおさのお味噌汁」
「“芝居につまれば忠臣蔵、おかずに詰まればとうふ汁”と、昔の人はなかなかうまいこというとかはった」と大村しげさんが書いていたのを最近読んで、いいなぁこの感じと思っていました。主婦の献立のお助けはもちろん、ライターのワタクシも同様でなかなかいい食材が思いつかない時はとうふに助けてもらっています。
そんなわけで今回もとうふ様にご登場願いましたが、お相手はあおさです。三重県で養殖が盛んなあおさとは、実はヒトエグサと呼ばれる種類でして、ややこしいんですが、一般的に言われる青のりやあおさとは違った種類なのだそうです。
このあおさ(ヒトエグサ)は、漁期では生も出回りますが、多くはそのままの状態で干された乾物で売られています。これは熱に強いので、お味噌汁やうどん、ラーメンなどの汁物の具に使うとおいしいからなんですね。
どちらもそれほど煮なくても良いので、早くできるという利点もあります。とうふとあおさと味噌三様のやさしい旨味が合わさり、とうふはホロホロっと、あおさはピラッと、一緒にトロンと口に入れたら、まさに口福ですなぁ。
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「とうふとあおさのお味噌汁」
出汁:煮干し
具材:とうふ、あおさ(ヒトエグサ)
味噌:手前味噌(米麦混合こうじ)
出典:「おばんざい 春と夏 京の台所歳時記」秋山十三子 大村しげ 平山千鶴共著 河出文庫
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