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2022年を振り返って

はじめに


2022年最後の日を迎えました。年を重ねるごとに一年があっという間に過ぎるという話を聞くこともありますが、一年の振り返りをしてみると、日々の繰り返しという期間が全く存在しない凝縮した時間の連続。

年齢と経験を重ねることで、これまで以上にできることが増えているということを実感でき、今後の更なる可能性を見出すことができる年となりました。



それではこの一年を簡潔に振り返ってみたいと思います。

久しぶりの元旦からの実家山口県への帰省に始まり、神戸へと移動し日本酒修行から始まった1年。

山口県では芸能人格付け番組に出題されるワインが何かを予想したりしながら久しぶりにゆっくりと過ごし、日本酒「貴」で有名な「永山酒造」の永山貴博さんの蔵に訪問し、新年早々多くの刺激をいただきました。

その後は第二の故郷とも言える神戸へ。こちらでは「白鹿」に初訪問。本場兵庫県の酒の歴史等をあらためて学ぶ機会となりました。


山口の地元の神社へ
永山酒造
兵庫県 灘の白鹿を訪問

5月は埼玉県、7月はポルトガルのポルトとヴィーニョ・ヴェルデ、9月は長野県の桔梗ヶ原、10月は山梨県 勝沼、11月は沖縄へと、それぞれ数日間かけてのワイン、ジン、泡盛修行の旅も経験。これまでとは違った角度からワインに向き合うことができました。

11月はギリシャのアッティカへのツアーのご招待のお話をいただきましたが、今回はどうしてもタイミングが合わず断念。また来年機会が訪れることを願っています。

ポルトガル ドウロ川にかかる橋の上から撮影


レストラン


振り返ると1年間はこんなにもたくさんのことができるんだと、あらためて1年という月日の大きさ、大切さを実感しています。

都内にレストランやカフェ、ベーカリー等を展開するタイソンズアンドカンパニーでは、各店舗を周りながらのスタッフ向けのワイン講習を中心にサービスの現場にも立たせていただきました。

来年は、より多くのソムリエスタッフが誕生するように尽力しながら、ワインの知識、技術の向上に貢献していきたいと思います。

そして2023年の前半には、こちらでまた新たな展開がスタートします。


テイスティング講習のアイテム


ワインスクール


ワインスクール レコール・デュ・ヴァンでは数々の講座の講師と、ほぼ全てのレギュラー講座のワイン、日本酒、焼酎のセレクターを務めさせていただき、講師としても15年目。数々の選択肢の中から自分のクラスを選んでくれた受講生に心より感謝する日々。

ワインスクールはさまざまな職業で活躍されている方が、ワインや日本酒という共通の目的によって集まり、お互いが多くの刺激を受けることができる場所。刺激を受けているという点では、講師である私も例外ではありません。

ここでは教室の中だけではない、ワインや日本酒を取り巻く世界全体を通して、これまでと今現在の経験のすべてを授業に凝縮させることができるよう努めています。

そういう意味で、長年レストランの現場でソムリエを続け、世界を旅した経験、さまざまなワインに関わる仕事の経験があることは、受講生に持って帰ってもらえる情報の量と質に関して、大きなアドバンテージになっていると自負しています。

これからも資格のその先の世界、教室の外の世界を伝えることを意識しながら教壇に立つ。それが合格へ最も近づく秘訣であり、何よりも受講生のためになると考えています。

テイスティング対策講座が始まる前の教室


ワインショップ

マイアムワインには今年からより深く関わるようになり、インスタライブや動画の撮影、新しいワインのセレクト、スタッフ向けワイン講習等、より知識的な面でのサポート役を務めています。

年々目覚ましい発展を遂げ、今後の展開がますます楽しみです。

今年から新たに加わったブルゴーニュの白ワイン「ムルソー」


福島県 白河のワインショップ ロワンでは若い力による新たなチャレンジに刺激をいただきながら、YouTubeへの出演や新アイテムのセレクション等に携わっています。

次第にショップの名前を挙げていただく機会が増えてきて、2023年の飛躍が期待されています。

シャンパーニュにもかなり力を入れているロワン


南アフリカワインショップ アフリカーでは、毎月恒例となった大試飲販売会にSNSでの発信をきっかけに多くの方々にお越しいただき、オンオフライン双方でのつながりの大切さを実感しています。

Twitterがなければ一生知り合うことができなかった人同士がこの場で出会い、ワインという共通点を通じて仲良くなっていく様子を目の当たりにできるのは、ワイン業界の人間としてとても嬉しい瞬間。

今年は南アフリカワインをテイスティングする機会も圧倒的に増えました。


ディナーイベント


麻布十番 焼き鳥とさかでは,店長と力を合わせて入手困難なお酒も幅広く取り揃え、定期的に開催しているペアリングディナーイベントも好評いただいております。

お正月に永山 貴博さんと山口でお会いした際に企画したコラボレーションディナーもお互いの有言実行で今年は2度も開催することができました。それぞれ即満席となり嬉しかった。こちらの続編は2023年も開催したいと考えています。

クリスマスに開催した日本酒とワインのペアリングディナーのラインナップ


ワインセット


イエノミライフ様とのコラボレーション「鬼コスパワインセット」も昨年末よりスタートして早くも第4弾がリリース。トータル1,000セット以上のお申し込みをいただきました。本数にすると1年間でワイン1万本以上が完売したことになります。

選定のためにテイスティングした本数は270本。なかなかタフな時間でしたが、ワイン雑誌のテイスティング経験があったことで、落ち着いて正しく判断できました。

多くのワインを目の前にしても一つ一つ丁寧に向き合うこと。ここを常に意識しています。

まずはどの順番にテイスティングしていくかの流れを考える。


メディア


マガジンハウス R groumet、Spur 、AM等、多くのメディアの方々にもお声がけいただけるようになりました。これらもSNS、特にTwitterでの発信やnoteの記事を継続的にご覧いただいたことがきっかけです。

今年は特に発信、伝え方にも磨きをかけるため、執筆のプロの方やコピーライターの方の本も大量に読破し、年始にTwitterのフォロワー1万だったのが今では3万フォロワーを超え、自身のnoteも今年だけで100記事を執筆しました。とても多くの皆様から反響をいただいています。

発信を再開した当初は、ワインに関する個人での発信では1万名を超えることはできないと言われていましたが、それをはるかに超えることができ、ワインという世界に興味を持たれている方は、日本にも想像以上にいることを証明できたと考えています。

このTwitterに関する記事も現在執筆中で、年始には公開できる予定で進めています。(かなりの大作となりそうな予感)

そしてワイン王国では、今年も全号に出演させていただき、オンラインセミナーの講師にも2度抜擢いただいていたことは、ソムリエ・講師として、とても名誉なことだと思っています。いつも貴重な機会をいただき本当にありがとうございます。

ワイン王国主催のオンラインセミナー。雪印本社にて。


取材・執筆・映画


独立した6年前より、取材をしていただく機会は年々増えてきていましたが、今年はさらにそれが加速しています。

三越伊勢丹様、フィラディス様、木下インターナショナル様、OTU様、ハイアール様、フランス大使館様、ニュージーランド大使館様とのコラボレーション企画。

さらには、OZmall、シェフレピ、専門料理等。インタビューや執筆記事を担当させていただく機会も今年一気に増えてきました。

この2年の間、自分の話し方、文章力に関してあらめて見つめ直し、ブラッシュしてきたその準備が日の目を浴びることになり、コツコツと積み重ねてきて本当に良かったと思うと同時に、プロとして更なる研鑽を積むことを決意しているところです。

映画「シグナチャー」への出演も私にとってとても大きな出来事。プロの俳優さん、女優さんたちと時間を共にすることで、これまでにはないたくさんの学びと気づきがありました。そしてまさか人生で「舞台挨拶」に登壇する日が来るとは夢にも思いませんでした。

抜擢してくださったプロデューサーの方、監督、共演者の皆様、そして映画館でご覧いただいたすべての方々に心より感謝致します。

このご縁も大切にしていきたいと思います。

新宿武蔵野館での舞台挨拶直前


最後に


ここまで書くと上手くいっていることばかりのように見えますが、新たな挑戦をするたびに、まだまだ力不足である自分を痛感、時に涙し、水面下では日々一生懸命にもがきながら葛藤する日々を送っています。

私一人では何もできません。20代の頃のあの過信は一体何だったのだろうか。今になると当時を恥ずかしく思うと同時に、これまでの経験の中で積み上げてきた内なる自信というものの存在が確実に大きくなってきていることも事実。

関わってくださった皆様に感謝の気持ちを忘れることなく、2023年もまだまだチャレンジを続けてまいります。

新しくスタートする2023年も宜しくお願い致します。

2022年 12月31日
ワインディレクター 田邉 公一




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