第1回 SAKE DIPLOMAコンクールへの挑戦[1] 最善の準備に対しての考え方
挑戦のはじまり
2019年。日本ソムリエ協会によるSAKE DIPLOMA資格が誕生して三年目のこの年。記念すべき第1回目となる、SAKE DIPLOMAコンクールが開催された。
私は、2017年の第1回SAKE DIPLOMA試験に合格。その翌年に実施された英語版の資格である、第1回SAKE DIPLOMA INTERNATIONL試験にも、なんとか合格することができ、日本酒、焼酎の知識に関して、少しづつ自信がつきはじめていた。
『SAKE DIPLOMAの日本一決定戦。SAKE DIPLOMAコンクール開催決定』
日本ソムリエ協会が発行する会員誌「Sommelier」に、いつものように目を通していると、このように書かれているところに目が止まった。
「田邉さん、この勢いで挑戦してみたらどうですか⁈」という、同僚からの前向きな声がけをいただいたものの、2014年の全日本最優秀ソムリエコンクールを最後に、コンクールへの参加自体を引退するつもりでいた私は、他人ごとだと言わんばかりに、その言葉に触発されるわけでもなく、日々の仕事に没頭する毎日を過ごした。
そしてそれから数日が経ったある日の朝。
「よし..コンクールに挑戦しよう...」
なぜか突然こう思い立ち、気づいた時には、朝一番で申し込みを済ませている自分がいた。実はこういうことはこれまでにもあり、いつも決まって、朝起きた瞬間に重大な決断に至ることが多い。神戸から東京に移住を決断した時もそうだった。
「夜寝る前に考えていたことは、眠っている間に脳の中で整理される」というのを本で読んだことがある。その時に沸き起こる直感は、いつも信じるようにしている。
この決断の時点で、コンクールの予選までの残り時間は、およそ三ヶ月ほどしか残されていない。普通に考えれば、コンクールで優勝するための準備期間としては、あまりにも短い。
しかし、2017年にSAKE DIPLOMA試験を受験して以降、2018年のインターナショナル資格への挑戦。そして、スクールの講師として、常にアウトプットをし続けてきた経験。さらにここまでの数年間で、全国のおよそ二十箇所の蔵元を訪問し、直接学ばせていただいたという経験もある。
これら全てのことは、コンクールの準備にもそのまま繋がる。つまり、準備は決してここからスタートするわけではない。これまでどう過ごしてきたのか、そしてこれからをどう過ごすのか。
もちろんまだまだ足りないことだらけなのは自分が一番よく理解しているが、そこはこれから埋めていくしかないし、そのための挑戦。
久しぶりのこの感覚。まさにに「スイッチ」が入った瞬間だった。
最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂