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伝統料理とワインのマリアージュとどう向き合うか
【コック・オ・ヴァン×ジュヴレ・シャンベルタン】
コック・オ・ヴァンとは、フランスワインの名産地、ブルゴーニュ地方の伝統料理「雄鷄の赤ワイン煮」のこと。
現地では、たっぷりの赤ワインで鶏肉をゆっくりと柔らかく煮込むのが主流で、ブルゴーニュに訪問した際は、必ず食べておきたい料理である。
伝統料理であるからこそなのか、日本でこの料理を食べることができるお店が、今ではほとんど見られなくなったように思う。
僕は神戸のクラシックなフレンチレストラン出身ということもあって、王道、古典料理というものに、高い敬意を評する精神が自分の根底に根付いている。
万物に共通することだが、伝統として引き継がれてきたからには、必ず深いわけがそこには存在するのだから。
写真に映っているのは、私がワインディレクターを務める、青山アミュゼの片桐シェフの刀根鶏(宮崎のブランド鶏)を使用したコック・オ・ヴァン。
あえて完全には煮込まず、この鶏肉の味わい深さ、旨みを最大限に活かすという発想から生まれた、古典に敬意を評した上での、新しいスタイルと言えるだろう。
そこに合わせるのは、同じブルゴーニュ地方で生まれる屈指の赤ワインであり、エレガントかつ力強さ、スパイス感を兼ね備えたジュヴレ・シャンベルタン。
まさに定番と言える組み合わせであり、お互いの風味を完全に引き出し、個性を高め合うマリアージュ。
王道をただ古いというふうに捉えるのか、敬意をもって向き合うことができるのかで、食というものへの考え方、発信の仕方が大きく変わる。
良いものは残り、引き継がれる。
王道に立ち返り、そこに自分達のスタイルを加えることで、新しい食体験、喜び、感動を生みすことができる。
それをまた多くの方にシェアしていくことが僕たちの使命の一つなんだと、今、あらためてそう考えています。
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![田邉 公一 🍷 Wine director](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/123206769/profile_890e9f2ec28530ad8a49d6334c3d2bd2.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)