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【コレこそお手本】具体的にソフトウェアベンチャーの立ち上げ方法を記載している一冊。『RUNNING LEAN 実践リーンスタートアップ』【読書記録】

■1. 本の詳細

●タイトル:Running Lean ―実践リーンスタートアップ
●著者:アッシュ・マウリャ
●翻訳:角征典
●解説:渡辺千賀
●シリーズエディタ:エリック・リース
●初版:2012年12月15日
●発行:株式会社オライリージャパン
●発売元:株式会社オーム社
●ページ数:278ページ(ソフトカバー版)

●アマゾンリンク


■2. 本の概要

本書は、
ソフトウェア、またはアプリケーション
といったサービスを商品として起業する
スタートアップの方法を具体的にまとめているものです。


著者のアッシュが
これまでに経験してきたことを振り返り、
『こうしたことは最初から知っておいた方がいいよ!』
という

スタートアップあるあるな
悩みの具体的解決策が書かれています。


したがって、
すでに何か商品があるのであれば、
この本に従って商品をリリースすれば、

『超低燃費』で『超コスパ良く』
スタートすることができます。



■3. 本書を読んで得られる9つの知恵

本書の中にも書かれていますが、
この本を読むことで得られる知識として
以下の9つがあります。

HOW TO:具体的な方法が7つ
TIME:理想的な時期についての説明が1つ
CONCEPT:概念の説明が1つ


1)ソリューション(作ろうとしている商品)決定前に
  解決に値する課題(顧客が潜在的に持つ問題や悩み)を
  見つける方法【HOW TO (1)】

2)初期の顧客を見つける方法【HOW TO (2)】

3)資金調達の理想的な時期【TIME】

4)価格テストの方法【HOW TO(3)】

5)リリース1.0に含めるものを決める方法【HOW TO(4)】

6)顧客が欲しいと思うものを
  構築・計測する方法【HOW TO(5)】

7)速度・学習・集中を最大化する方法【HOW TO(6)】

8)製品/市場フィットとは何か?【CONCEPT】

9)製品/市場フィットを反復的に改善する方法【HOW TO(7)】


大きく分けるとこの9つを
具体的に説明している本です。


得られる知識9つのうち
7つは「HOW TO:具体的な方法」
となっているわけですから、

著者がどれだけ『方法』
を伝えようとしているのか?
がわかるかと思います。




■4. 本書の特徴


■ 特徴(1) 具体的な例文やレイアウト構成が充実している


本書の中には、
『ランディングページの記載』
『顧客インタビューで聴いておくべきことリスト』
『顧客に送るメールの具体例』

などなど、

そのまま内容をコピペして使えるもの
がたくさん書かれています。


本書の冒頭部分でも著者が語っていますが、
『新しくスタートアップを立ち上げる人たちなら
 最初から知っておきたい知識』
がふんだんに書かれている本です。


私自身も
『5dump』というアプリケーションであったり
『5dump Carrer』というコーチングサービスであったり


スタートアップとして
サービスを展開している一員です。


そういった人間からすると
スタートアップとは
『わからないことだらけ』です!


『一体どうやって顧客の悩みを見つけるのか?』
『一体どんな顧客がこのサービスを欲しているのか?』
『そもそもサービスの改善とかってどんなタイミングでやるの?』
『一体どうやったらダウンロード数は伸びていくのか?』

悩みは浮かんでは消え、浮かんでは消え…
悩みは尽きない…

なんて状況です。w


もちろん楽しい部分ではありますが、
正解のないものを追い求めて行くという行為は
シンドさも伴います。


そうしたなかで、
この本はそのシンドさを和らげてくれる。


ここまで具体的にテンプレートがあるなら
もうそりゃ使うっきゃないです。

しかも、
過去にスタートアップサービスを
自走させるまでにした人が書いている。


こんなにも信頼感のある記述はないでしょう。


■ 特徴(2) 有名な起業家の哲学的名言


本書の中では、
具体的な例やテンプレート
の他に、

参考にしている起業家や経済学者の哲学的名言が書かれています。


例えば、

『無駄』とは、
実行すると資源を消費するだけで、
何も価値をウマない活動のことだ

発言者:ジェームズ・ウォーマック(経済学者)


人が欲しがるものを作れ

発言者:ポール・グレアム(プログラマー)


成功するスタートアップとは、
リソースを使い切る前に
十分なイテレーションを行う
スタートアップのことである。

発言者:エリック・リース(起業家)


欲しい物を知るというのは
顧客の仕事ではない

発言者:スティーブ・ジョブズ


などなど、


過去に自走するほどの
組織を作り上げたことのある
経験者達の名言が書かれているというのが
本書を読み進めていく楽しさにもつながっています。


『こうした名言に加えて
 具体的なテンプレートが何度も登場する』

というのが本書のいいところ。


机上の空論ではない
ってことですね。


●まとめ LESS is MORE『少ない方が豊である』


本書の中で何度も登場するのが、

LESS is MORE『少ないほうが豊である』

という考え方です。


スタートアップとは
人員も少なく、みんなが手一杯になってしまうような場面が
何度もあります。


人手がもっとあれば…
資金がもっとあれば…
時間がもっとあれば…


無い物ねだりで
なんでも潤沢なリソースを欲しがります。


しかし!

アッシュはそれを否定します。


スタートアップにおいては、
『リソースは使い切ってナンボ』
だということです。


シンドかったり
辛かったり
そんなもんはそりゃそうだと。

そして、そうした苦しさの中から
イノベーションは生まれると書いています。


したがって、精神的な健康を保つためにも

●資金調達は早い段階でしてはいけない
 →成功が約束できないような状況で借金を作ってはいけない。

●本業の仕事は辞めてはいけない
 →自分のビジネスで食べれるまでは、本業を続けながら運用するべきだ。

という風に
とてもリアリストな視点から
アドバイスを送っています。


こうした
『焦って変な行動しない方がいいよ!』
といったアドバイスは、

彼の優しさの現れなのでしょう。


リソースが少ないからと言って
デキないなんてことはない。


結果を焦ってしまっては
余計な失敗ばかりしてしまう。


ということを
すでに知っているのでしょう。


この記事を書いている私自身、
平凡なサラリーマンであり、
提供しているサービスも
まだまだ食べていくには程遠い状況です。


しかし、
サービスを運営している仲間と
生活の合間を縫って
様々な取り組みをしていると
きっとデキると思えてきます。


気持ちが沈むときもたくさんありますが、
楽しいと思える瞬間もたくさんあります。


そうした感覚が
スタートアップのおもしろさなのでしょう!


という感想を述べたところで
筆を擱きます。


お読みいただきありがとうございました。

ではまた!:D

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