デートで直前キャンセルされたときに独りで食べたメニューがこちらです。
(※以下はLINEブログで2018年1月頃に書いて公開した記事です。LINEブログがサービス終了し、noteにお引越ししました。独身時代に書いたもので、結婚した今現在の話ではありませんので、お間違いなきよう)
ローストビーフのサラダ。旬野菜のカップスープ付き。
「愛する人と食べた食事・ワインは、どんなに安物だったとしても、かけがえのない時間として記憶に残る。」
昔、ソムリエというマンガでそんな言葉を見たことがあります。
しかしながら。
デートで心待ちにした相手をお店で待ってたとき、約束の5分前に女性から「デートに急に行けなくなっちゃった。ごめーん」とLINEが来て、そのままお店を出ることも出来ずに注文して食べたメニューも、しっかりと、私の記憶に残っております。
それがこのローストビーフです。冷たい肉です。
私はそのときの気分を、LINEブログの下書きにバッチリとメモっていました。昨日のようにそれが思い出されます。
そのときに書いて投稿したらLINEでシェアされて相手も見ちゃうんじゃないか、完全に気持ち悪いんじゃないかと思いましたが、幸か不幸か、その後に一切の連絡も取れなくなりました。もう時効でしょう、きっと。
以下、そのとき書き綴ったブログの下書きを投稿することで、供養とします。
そして、これを機にブログを再開しよう。俺は何を目指しているのだろう。
↓以下、デートのはずが急遽独りになったときに書いた文章↓
自由が丘。家族連れ、友達連れ、カップル、少なからずみんな楽しそうにしてる街だ。
今日は私も楽しい楽しい昼デート。
米粉パンの美味しいと評判のヘルシーなお洒落カフェに来た。
しかし、相手は来ない。
来ないと連絡があった。
約束時間の5分前に。
すでにお店に入って予約もしていたので、キャンセルも出来ない。
ローストビーフのサラダ。旬野菜のカップスープ付き。(米粉パンは食べ放題)
私はこのメニューに独りで向き合うこととなった。
独りだからこそ、ローストビーフ、旬の野菜、ドレッシング、料理人が心を込めて作ってくれたメニューに全力で向き合えるんだね。
神様、ありがとう。
レタスとミツバと人参がほどよいバランス。ちょっと薄味だけれども、素材が活かされている。
かたや私は、自分の素材をいかしたアプローチをそもそも異性にできていたのだろうか。明らかな玉ねぎ顔が、俺の名前はアーティチョークです、みたいに語ってなかったろうか。
ドレッシングはオリーブオイルに胡椒、塩、ガーリックを入れたシンプルなものだけど、野菜とのコラボレーションは抜群だ。
かたや、今日の私にはコラボレーションの相手はいない。いわば、皿の上に乗った単体の玉ねぎが私だ。涙も出ない。
ローストビーフは私の大好物で、脂身もなくさっぱりとして柔らかい味。
かたや、私は脂身が少し多すぎるのだろうか。とろとろチャーシューだから直前でキャンセルされたんでしょうか。
このお店で独りで座っている男は私だけのようです。それでLINEブログにこんなことを書いてるが、公開するとLINEでシェアされちゃうんだよな。相手にも伝わるだろう。どうしたものか。
そもそも自由が丘でこの心象風景をLINEブログに残そうとか、いったい俺はどこに向かってるんだろう。
あ、コーヒーが運ばれて来た。オーガニックコーヒーってやつですね。
いつもは美味しく感じるはずだが、今日は何かオーガニックという響き自体が腹立たしい。そして、何故かいつもより苦く感じる。
おや、もう一杯コーヒーがおかれたぞ。なんかサービスかな?
「あ、2名でご予約と承っておりましたが、結局は1名様でいらっしゃいますか?」
「えーと、はい。」
「あ、、、えと、た、大変、失礼いたしました!」
自由が丘。
忘れられない街になりそうです。
(完)