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生涯たぶん。大学2年夏

6月で夏休みになり
寮の現地人たちは
実家に帰ってしまった

英会話の練習のために
私は現地人達と一緒にいて
日本人達から離れていたから
困った状態に...

私が唯一話してた日本人
英語でおしゃべりできるクラスメイト女子しか
仲良しが居ない
 
寂しくなって彼女を探し回ってたら
あ、男とカフェテリアに座ってる

私に手を振って、こっち来て!の合図

あたしら2ヶ月ほど旅に出るから
一緒に来ない?と誘われた 

2人に男女関係は無いと
聞かずとも分かるほどの
レアキャラ男
  
彼女の趣味じゃないこともわかる

彼のふだんの話し相手は
暗そうな数人に限られていて
近づきづらい存在だった

彼をよく知らないけど
面白そうだから
私も行くことにした

彼の見た目は...
 
日本人離れした高い鼻
日焼け肌
少し長めな黒髪

体毛が感じられないツルツル肌イメージ
(実際はヒゲ生える)
 

背が高く
一応、鍛えている筋肉
切長の目..

重そうなひとえまぶたに隠れた目が
よく見るとすごく綺麗

基本的に笑わなくて
笑うことに慣れていないような
笑い方をする人

寮のカフェテリアで
3人でガイドブックを開いて..

昔からこうしていたような
何の違和感もない空間

この日を境に
なかなか人に心を開かない彼が

私のルームメイトが不在の間

毎晩のように私の部屋を訪れることになる
最初は
迷える子羊を拾ってしまったような気分だった

ここから20年以上、たぶん先も、
別れていようが必要とされまいが関係なく
大切に想う人になる
(続く)

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