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糸状菌

今、ベトナム ダラットという場所のホテルでこの文章を書いています。
ふと目に入った テーマ 【今年学んだこと】

ベトナムには何度も来たことがありますが、ダラットの地には初めて降り立ちました。
目的は 農場見学。
それも サツマイモ。
私は今年で10年目の家庭菜園経験者です。
本格的な就農はまだしていませんが、今その準備を着々と進めています。
美味しい野菜を自らの手で育て、収穫し、食べたい。
そんな思いから家庭菜園を始めましたが、徐々に私の中のその思いが強くなり、今では ベトナム・フィリピンでカシューナッツ農園・カカオ農園・そして今回のサツマイモ農園をやる!という気持ちまでなりました。
家庭菜園をやるにあたり、本屋で色々な野菜の本を買い、連作障害やら、コンパニオンプランツ、どの野菜とどの野菜が共生しやすいかなど多くのことを本から学び、実践してきました。
この野菜つくりの難点は、種や苗から野菜を育て、収穫するまでに結構時間がかかり、ほとんどは1年に1回しかその成果が見れないということです。
今年失敗してしまった。。。となって、次を試せるのは冬を越して来年の春を待たなければなりません。
そう、つまり、10年目といっても たったの10回しかまだ試せていないということです。
野菜を育ててみて学んだのは、1年1年本当に真剣に野菜に向き合う必要があるということ。
私たちが当たり前のようにスーパーでいつでも手に入る野菜や果物。
あまり深く考えた事が無いかもしれませんが、これって本当にすごい事なんだと思います。
生活がかかっている農家さんは今年は失敗してしまったではすまされません。どれだけ多くの農家さんが丹精に畑を耕し、種をまき、収穫をしていることか。
ミクロの家庭菜園をしてみて、マクロの農家さんの農業に思いを馳せた時
自然と感謝の念がわいてきます。

私は、農薬や化成肥料の使用があまり好きではなく、できるだけ自然の状態の旬の野菜を頂きたいと思っています。
その中で、今まで 緑肥農法(畑に生えてくる雑草を刈り、野菜の周りにまき、自然のマルチや有機物へ変え野菜を育てる方法)など色々試しましたが、ついに今年、ある素晴らしい農法に行きつきました。
それが、タイトルにもある「糸状菌農法」です。
皆さんあまり聞き慣れないかもしれませんが、
この糸状菌とは、いわゆるキノコになる前の菌です。
この自然界に当たり前のように存在する糸状菌を畑に定着させ、一度作った畝はその後5年近くそのまま利用できてしまうという何とも効率的な農法です。
その農法は、今後価格の高騰が見込まれる農薬も堆肥もいらず、さらに朽ちた丸太や藁や枯れ葉など自然界に放置されている材料だけで完成してしまいます。
今年は実際のその農法を、今私が借りている畑で試したところ、著しく野菜の育ち方が例年と違うのを目の当たりにしました。
まずは、野菜自体 葉っぱの輝きが例年と違い、生き生きとして虫食い自体も無くなりました。そして収量も上がったのです。
とても一人で食べきれる量ではなく、会社に持っていき みんなにおすそ分けをして喜んでもらいました。
そんな畝、本当に存在するの?と初めて聞く人は思うかもしれません。
私も初めにこの農法を知った時は半信半疑でした。
「百聞は一見に如かず」
まさにこのことわざの通り、実践してみたところ目の当たりにしたのです。
糸状菌もこの目で見ることができます。
長いものは1mにもその菌はなるそうです。

冒頭に書いたように、私はこれから ベトナム・フィリピンで農業をします。
現在、この国々ではまだまだ無農薬農業や、オーガニック農業というものに意識が低く、ほとんど広がっていません。野菜自体の価格も上がってしまうからです。
農薬や堆肥を使わないから経費が減るのになぜ野菜自体の単価が上がるかというと、その農法だと野菜自体のエネルギーが無く、虫が寄り食べられ、市場に出せる状態のものが減ったり、虫を除去するために逆に人手が必要で
人件費が増えてしまうということになるからです。
私が今取り組んでいるこの糸状菌農法は、野菜自体がエネルギーを持つので、真逆のことが起きます。
私はぜひこの農法をベトナム・フィリピンに導入したいと思っています。
今年学んだこの農法、
私は運命の出会いだと思っています。
今まで学びを継続してきて、行きついたもの。
今まで何も学んでいなかったら、この農法を知ったとしてもスルーしていたかもしれません。
学びというのは、継続が伴うことがとても重要だと思います。
生きている限り、学びは継続します。
今日というこの瞬間からもすべてが学びです。














#今年学んだこと

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