初めての人がどんなのか分かるように、テラフォーミングマーズのカードを無理やり分類してみよう。
ボードゲームをたしなんでいるみなさん、スプレンダーもロストシティもカタンもアズールもカスカディアもひととおり経験して、そろそろ重ゲーにも手を出したいけど・・・なんか怖い!と思っている方いませんか?
私もその1人でした。難しいし時間かかるしなぁ。いろんなゲーム遊べたほうが得じゃん・・・と思っていました。しかし、先日勇気を出してテラフォーミングマーズに手を出したところこれが大当たり!一度遊んでからというものの即購入、ついプレリュードまで買っちゃいました。
このゲームの肝は何といってもさまざまなカード!カードの種類が非常に多く、そしてかぶっているものが1つもない。ヤーコプさん(英語の感覚だとジェイコブさんだと思うが日本語訳だとこうなっている)の綿密な調整の上、絶妙なゲームバランスで成り立っているゲームだと思います。すごくない?やべえ。
これもいろんな人に布教したいゲームの1つなんですが、いかんせんテラフォーミングマーズは頭が痛くなるタイプの日本語で説明書が書かれています。でも最後のアイコンのページは大変良く、ゲーム中とてもお世話になるので捨てずにちゃんととっておきましょう。
ルールに関しては、先人たちがたくさん分かりやすく書いてくださっているので私が書くまでもないです。
今回の記事はゲームの肝であるカードについて語ろうと思いますので、
テラフォーミングマーズの遊び方を知らないと意味分からない用語がたくさんあると思います。すみません。
説明書ではカードの効果処理順番については書いてはあるものの、効果そのものについてはあまり言及されていません。最終的に分からなくなったら「読んでその通りにしてください(意訳)」と書いてあります。そうしたくなる気持ちは非常に分かるし、確かに遊んでみると本当その通りなんですよね~~。
でもそれでは、なんやこのカード・・・3M¢払ってまでとっといた方がいいのか?どういう使い方すりゃええの?ん?
となるカードが大量に出てしまいます。実際何回か遊んでても、よく分からずスルーするカードもいっぱいあります。
初めて遊ぶ人に遊び方を説明しながら、こんなカードあるんだぁ~と理解してもらうために、かなり無理やりですがこんなことが出来るよ~~と分類してみることにしました。
まず私は、ノーマルテラフォーミングマーズ、ノーマル付属の企業時代、拡張はプレリュードしか持ってないので、他の拡張に入っているカードは分かりません。もしかしたらこの説明に該当しない未知のカードがあるかもしれませんがご了承ください。
企業カード
ゲームの最初に配られるカード。火星をテラフォーミングする上での自分の強みを決める。2枚を引いて、どちらか好きな企業を選ぶ。転職は出来ない。
説明書では初心者は初心者用の企業がおすすめされているが、テラフォーミング方針(緑地をいっぱい配置するのか、隕石をひたすら衝突させて資源を得たり気温を上げたりする方向で行くのかなど)が立てやすくなるのと、10枚もプロジェクト・カードをタダでもらってもどうプレイしたらいいのか考えるのが大変なので初めて遊ぶ人も普通の企業カードを使うのがおすすめ。
企業カードには大きく分けて2種類のことが書いてある。
1つ目は、ゲームを始める時最初に持っているM¢(メガクレジット この世界の通貨)とゲーム最初に使える能力。
2つ目は、ゲーム中ずっと有効な効果。2つ目の効果は「効果」と「アクション」の2種類がある。
アクション:と書いてあるものは1世代に1回だけ1アクション消費して効果を使えるタイプ。アクションの効果を使ったら、使ったことが分かるようにキューブを置いとくとよい。
効果:と書いてあるものは、特定カードのコストが下がるなど永続効果のもの。ゲーム後半になると、つい存在を忘れてしまうので覚えておこう。
写真左『ヘリオン』の場合は、42M¢と、発熱産出量が+3された(企業時代なしの場合、元々あった産出量+1にさらに追加する形で上がるので産出量+4になる)状態でゲームを開始できる。発熱資源1個分を1M¢として使える効果がゲーム中いつでも使える。逆に、M¢を発熱にすることは出来ない。
写真中央『タルシス共和国』の場合は、40M¢と、都市タイルを1つ好きな場所に配置した状態でゲームを開始する。今後ゲーム中ずっと、火星上に都市が配置される度にM¢産出量が1増え、追加で特に自分が都市を配置すると3M¢もらうことができる。これはタルシス共和国の開始効果で都市を建築した場合も適用されるので、実際は43M¢とM¢産出量が+1(企業時代なしの時は+2)の状態でゲームが始まる。
写真右の『国連火星動議』は、40M¢持った状態で始まる。自分のTRが上昇した世代中に、1アクション使用し3M¢支払うことでTRをもう1上げることが出来る。
プロジェクト・カード
テラフォーミングマーズの花形。プロジェクト・カードの活用が勝敗を左右するといっても過言ではない。
開始時は10枚、各世代の研究開発フェイズでは4枚引き、欲しいカードを1枚あたり3M¢支払って手に入れることが出来る。手札上限はないが、いかんせん手に入れるだけでも有料なので無駄なく使いたいところ。3種類に分けてあり、それぞれ効果の発動タイミングなどが異なる。
赤 イベント・カード
単発で起こるイベント。コストとプレイ条件以外のデメリットがあまりない(発動者視点)のが大きな特徴。効果を発動すると裏向きになり、右上に書いてあるタグ参照の対象外になる。タグ参照については後述。
緑 オートマチック・カード
一番数が多いカード。単発イベントではあるが、裏向きにはならず手元に並べて残しておく。何かが得られるのとひきかえに、多少自分の資源消費などが必要になるカードが多い。VP(勝利点)が書いてあるカードもある。
赤、緑カードの見方
①黄色四角の数字 説明書では「コスト」
発動するときの消費M¢を表している。一度払ってしまえばそれ以降は気にしなくてよい。
② 黄色の長方形 説明書では「プレイ条件」
そもそもこのカードを発動するときに満たしていなければならない条件を表している。気温や酸素濃度、海の数、後述するタグの数などが条件になっている。これもコスト同様、一度発動してしまえばそれ以降気にしなくてよい。
写真右『放熱トラッパー』のように、何も書いておらず特にプレイ条件がないカードもたくさんある。その場合はコストさえ払えば発動できる。
③丸で囲まれたアイコン 説明書では「タグ」
タグという。タグは非常によく使うテラフォ用語なので覚えておこう。ついていないカードもある。
建物タグと宇宙タグ以外は特に何か起こるものではない。
建物タグ(三角屋根の建物マーク)がついてるカードは、建材1個2M¢分としてコストM¢の支払いに充てられる。写真右『放熱トラッパー』がそう。
宇宙タグ(太陽みたいなマーク)がついてるカードは、チタン1個3M¢分としてコストM¢の支払いに充てられる。
どちらの支払い方法もお釣りは出ないので、無駄にしたくなかったらM¢と組み合わせて支払うとよい。
建物タグ、宇宙タグ以外に関しては、今までの使用済カード(赤のイベント・カードは除く)の中に、「○○タグがついてるカードが何枚以上ないと発動できない」みたいな条件がついているカードがあるのでその時に気にすればOK。これをタグ参照という。
タグ参照系カードは、プレイしたカード自体に該当タグがついていたら、それも個数に含めてOK。
例↓
何気最初に選ぶ企業カード(や使う場合はプレリュード・カード)にタグが書いてあるものもあるので、数に入れてあげる。これがあるため、テラフォでは使ったカードをソリティアみたいに上の部分だけ見えるように重ねていくことが推奨されている。
どんなタグがあるかは、説明書のp.15に分かりやすく記載があるのでそちらを参照されたい。
④茶色で囲まれた四角内のアイコン 説明書では「茶色のボックス」
資源の「産出量(毎ターン終了時に何個その資源がもらえるか)」が変化する内容を表している。今既に持っている資源量を減らすわけではないので注意。
±が書いていない時、+と書いてある時は、自分がその産出量を増やす。
-と書いてあれば、自分が産出量を減らす。
これらの内容は必ず数通り増やしたり減らしたりしなければならない。指定されている資源の産出量をこれ以上減らせない状況の時は発動出来ない。
⑤何も囲まれていないアイコン 説明書では「赤フチのない資源や産出」
今持っている資源そのものの量が変化する内容を表している。
±が書いていない時と、+と書いてある時は自分が、書いてある資源を増やす。
-と書いてあれば自分が、書いてある資源を減らす。
これらの内容は必ず発動しなければならない。指定されている資源を持っておらず規定量減らせない時は発動出来ない。
⑥茶色の丸で囲まれた数字 説明書では「勝利点(VP)アイコン」
このカードを発動したときにもらえるVPを表している。ないカードもたくさんあるし、減るものもある。このカードに書いてあるVPはTRに反映せず、全てゲーム終了時に加減する。
⑦赤フチで囲まれているアイコン 説明書では「赤フチの資源や産出」
赤フチで囲まれているアイコンは、自分も含めてプレイヤー全員の誰かから対象を1人選べることを表している。
持ってる資源が減るタイプの赤フチに関しては、もしカード発動者が誰のも減らしたくないと思えば減らさなくても良い。一部だけ減らすのもOK。複数人に分けて減らすのはなし。必ず1人。
ただ茶色で囲まれていて産出量が減るタイプの赤フチは、必ず発動しなければならない。指定されている資源の産出量を規定量減らせない人は対象に出来ない。複数人に分けて減らすのもなし。必ず1人。
解読例
写真左の『海藻畑』は、海洋タイルが6枚以上ある時、17M¢を支払い発動する。自分のM¢産出量を2、植物の産出量を3増やす。植物を2個獲得、ゲーム終了時にVPを1獲得する。
写真中央の『放熱トラッパー』は、6M¢支払って発動する。建物タグがついているので、建材1個を2M¢として何個でもコストの支払いに使ってよい。誰か1人の発熱産出量を2減らし(産出量が既に0または1の人は対象に出来ない)、自分の電力産出量を1増やす。VPはゲーム終了時に1減少する。
写真右の『巨大氷小惑星』は、36M¢支払い発動する。宇宙タグがついているので、チタン1個を3M¢として何個でもコストの支払いに使ってよい。誰か1人の植物資源を最大6減らし、気温を2段階上げ(つまり4℃上昇する)、海洋タイルを2枚設置する。気温上昇と海洋タイル配置によってTRを4上げる。
青 アクション・カード
発動した後もゲーム終了時まで使えるアクションや効果が残り続ける。
効果はイラストを挟んで上と下に分けられる。
イラストの上
見方は企業カードのアクション、効果と同じ。
アクション:と書いてあるものは1世代に1回1アクション消費して効果を使えるタイプ。アクションの効果を使ったら、使ったことが分かるように自分の色キューブを置いとくとよい。
効果:と書いてあるものは、特定カードのコストが下がる、カードのプレイ条件が緩和されるなど永続効果のもの。
どちらにしてもゲーム終了時まで残り続けるので、青カードをプレイしたら、上段の内容が常に見えるように次プレイしたカードを重ねておく。
イラスト下
このカードを発動した際1度だけ得られる効果を表している。記載がないカードもあるので、その場合はコストを支払って1アクション消費になるが、次アクション以降、上段の効果が発揮されたり、アクションを使えたりするようになる。
青カードの解読方法
『移民都市』のカードは、13M¢支払って発動する。建物タグがついているので、建材1個を2M¢として何個でもコストの支払いに使ってよい。
次に一旦上に書いてある効果の文は置いておいて写真の下の効果を処理する。自分の電力産出量を1、M¢産出量を2それぞれ減らし、都市を配置する。その際にカードの上側に書いてある効果の条件(都市が配置されたとき)を満たすので、M¢産出量を1上げておく。以降、都市が1個配置される度(赤フチなので自分でなくてもよい)に、M¢産出量を1上げる。忘れないようにしないとね!
『エウロパより水の輸入』というカードは、25M¢支払って発動する。宇宙タグがついているので、チタン1個を3M¢として何個でもコストの支払いに使ってよい。
上のアクションの文は置いといて写真下に書いてある効果を確認する。自分の木星タグごとに1VPになると書いてある。茶色の丸で囲まれているので、ゲーム終了時点で自分がプレイした木星タグつきカードの数だけVPが入る。このカードの発動以降、1世代に1回1アクションを消費して、上に書いてある「アクション:」の効果を発動出来るようになる。この場合は、12M¢支払って(支払いにチタン利用可能)海洋タイルを1枚配置出来る。
大きなポイントは、カードを発動する時上段の「アクション:」、「効果:」は一旦置いといて下段の効果を先に処理する必要があるところ。
上段に「効果:」と書いてあるカードは、誰かが都市タイルを置いたとかそういう時に企業カードの「効果:」と同様自分で忘れないように覚えておかないといけない。結構大変。慣れてきたら他の人の「効果:」も覚えておいて、本人が忘れてたら教えてあげよう。
プロジェクトカード効果いろいろ紹介
資源がもらえる(捨てないといけない)系
資源そのものをもらえるタイプ。逆に捨てないといけないこともある。効果がわかりやすいので、たぶん初めて遊ぶ人でも理解できる。
中にはプロジェクト・カードをもらえる効果のカードもある。その際は、いつも払う1枚3M¢を払わずにそのまま手札に加えてよい。
産出量が変わる系
今後毎ターン終わる時にもらえる資源の量が変わるタイプ。即効性はないけど産出量を減らして何かを得るカードも多いので、上げられるときに上げといたほうがいい気がする。これも、産出量と資源の違いが分かれば特に問題はない。
グローバル・パロメーターに関わる系
緑地タイルの配置、気温上昇、海洋タイルの配置をしてTRを上げることが出来る。『製鉄所』のように、緑地タイルを置かなくても酸素濃度が上がる効果を持つカードもある。標準アクションよりお得なことが多い。タイル配置は、記載がない限り通常の配置ルールに従って置く。カードに書いてあったらその通り置く。
グローバル・パロメーターが上昇するカードは、その項目をそれ以上上げることが出来なくてもプレイして良い。ただし、グローバル・パロメーターが上がらないのでTRは上昇しない。
例その1
誰かの植物資源を減らすために、海洋タイルが9枚全て置かれていて、気温が最大の8℃になっていても『巨大氷惑星』をプレイしてOK。ただ、海洋タイルを置けず気温を上げられないのでTRを上げるのは不可能。(まぁ、TR上がらないのに36M¢払ってまで植物資源減らす?って感じではある。)
片方だけ満たしてない状況なら、上げられた方はその分TRを上げてOK。
例その2
酸素濃度が14%濃度上限であっても、『保全指定渓谷』や『マングローブの森』を発動し、緑地タイルを設置してVP稼ぎをしてOK。こちらも酸素濃度をこれ以上上げられないので、TRは上がらない。
都市カード配置系
VPを稼ぐためには都市タイルの設置も重要。標準プロジェクトだと、M¢産出量が1上がるとはいえ25M¢必要なのでかなりコストがかかる。プロジェクト・カードなら標準プロジェクトよりも安く、しかもM¢産出量も多めに増やした上で都市タイルを配置できたり、通常配置ルールを無視して都市タイルを置くことができたりするカードもある。電力産出量を増やすカードは結構レアな反面、電力産出量を減らさないといけないカードが多いのがデメリットではある。
ゲームボード上に特殊な建物を配置する系
ボード上に海洋、緑地、都市以外の建築物を置けるタイプのカード。
初めて遊ぶとき、なんとなく自分の配置した都市や緑地の近くに置きたくなるけど、実は相手の都市の隣に置いて、都市のVPになる緑地を置かれないように妨害するお役目に使う戦法が基本。首都など例外はもちろんある。置き方の指定があればカードの指示に従うように。
ちなみに首都は色は違えど都市タイルの1種なので、他の都市に隣接して置くことは出来ないし、海だけでなく隣に緑地を置いてもVPが上がる裁定になっている。
カードの上に資源を配置すると書いてある系
初プレイで手元に来たときスルーしたくなるカードNo.1。ただでさえ管理する資源が多いのに、それ以外の資源らしきものの名前が来ただけで初めての人が諦めるのに十分すぎるほどの理由になると思う。
共生菌だけ先に来て、いや…微生物1個配置出来るって何??そんなことしてどうするの???となりたぶん3M¢払わずスルーされる。
こういうタイプの資源は、アクションや効果によってカード上に資源を置く、と宣言すると、カード上に資源マーカーを個数分置いていく。これをひたすらたくさん集めることでVPになったり、決められた個数除去することでTRを上げられたり、酸素濃度を上げられたり、気温を上げられたり、VPになったりなど、いろいろなプチ効果を発揮する。
写真のように、他のカードに特定の資源を置くようなカードとコンボ前提の効果なので、発動するタイミングは非常に難しいが可能なら早めに発動したほうがたくさんVPは稼げる。
カード上に集めるタイプの資源は「微生物」、「動物」、企業時代のカードを追加すると「科学」、「戦闘機」の4種類あるが、たくさん集めてVPになるタイプがおそらく一番多い。変わったところだと、企業時代のカードにはカード上に置いた「科学」を消費することでプロジェクト・カードを引けるものもある。
非常にレアだが、青のアクション・カードでなくても、カード上に置くタイプの資源を置く効果を持ったカードも存在する。
別に置けなくても、他のカード効果を使うために発動してOK。
コストが減る系の効果があるもの
特定のプロジェクト・カードをプレイするときに割引が利くタイプの効果。早めに出せば出すほどお得。ただつい存在を忘れてしまうので、忘れていたら他のプレイヤーも優しい心で指摘してあげよう。テラフォーミングマーズは助け合いのゲームです。これは本当です。助け合わないとゲーム終わりません。
プレリュード・カード
テラフォーミング・マーズ拡張プレリュードで登場した追加カード。最初からノーコストでTRを挙げられたり、資源がもらえたり産出量が増えたりする嬉しい効果を使える。これによりゲームの根本的な面白さを損なわずにプレイ時間の短縮が図れて便利。ヤーコプさんすごいぜ。
企業カードと同じタイミングで4枚配る。全員がプロジェクト・カードの購入と企業の公開と効果処理を終えたら、親から時計回りに使用するプレリュード・カードを2枚選んでプレイする。プレイされなかったカード、配られなかったカードはゲーム中使うことはない。
タグ参照の対象になるので、プレイ後もタグが見えるように自分の前においておく。
たぶん大抵のカードはこのどれかに該当すると思います。ないものがあったら本当すみません。気づいたらしれっと追加します。
初めて遊ぶという人にルールを説明する時や、カードの読み方が分からなくなったときなど参考にしていただければと思います。
それでは良き火星ライフを~!