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8月最後の週末。

 今日は8月最後の日で、最後の土曜日。嬉しいような悲しいような。
 僕が住む地域では、幸いなことに、台風による大きな被害はなかった。
 思えば、この数年は自宅で過ごすことが多くなった。自分で作った料理とお酒を合わせて、家での時間を楽しんだり、映画を観たり、本を読んだり。多分、この週末もだいたい家にいるだろう。
 Amazonで注文していた文庫版の『百年の孤独』(新潮文庫)が昨日届いた。もう何年も前、学生のころに読んだ単行本は、白と水色のコントラストが印象的な紙のカバーだったが、今回のカバーデザインも良い。ストーリーらしいストーリーははっきりとは覚えていない。ある一族の歴史を描いた作品ということ。ややこしい名前がたくさん出てきたこと。同じ名前でも別の人物も出てきたこと。そして、「上下二段組みのページを最後まで読み進めたかいがあった」と思わせてくれる終わり方にうなったこと。記憶としてあるのはこの程度だ。 
 しかし、「良い本」というのはそんなもので、細部を覚えているわけではないのに、その本の手触りや印象、空気感みたいなものは、何年経っても忘れないものなのかも知れない。余韻を引く作品というかね。まあ、本に限らず、良い思い出というのは、だいたいそんなものなのかも知れないけれど。
 今回『百年の孤独』を手に取ったのは、文庫化されたことで話題になったのがきっかけだけど、今の僕が読んだらどんなふうに思えるのかも気になったからだ。僕はどれぐらい変わって、どれぐらい変わっていないのか。本を読むことは、誰かが書いた物事を読んでいるようにも思うけど、結局は自分のこころの中にあるものしか読み取れていないようにも思う。
 読み終えるにはしばらくかかるだろう。『百年の孤独』と言えば、同名の焼酎を選ぶのが良いのかも知れないけど、今日はフルーティーさと芳醇さを両立したヴァイツェンビールを読書のおともに選ばせてもらった。

このカバーデザインとヴァイツェンの濃い黄色がよく合う

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