2018年 日本数学オリンピック本選 第1問 解答例
考え方:
すこしややこしい操作をするのでとっかかりが難しいです。
色々実験をしてみながら、整数問題のセオリーである剰余・倍数に注目しましょう。
平方数が多く現れる場合、$${3}$$での剰余をまず考えるのが吉のようです。
なお、私は、新たに書かれる整数が
$${(a^2b^2 +3) - (a^2 +b^2+2) = (a^2 - 1)(b^2 -1)}$$
$${(a^2b^2 +3) + 3(a^2 +b^2+2) = (a^2 + 3)(b^2 +3)}$$
の公約数であることが使えないかと考えているうちに気づきました。
解答例:
$${a, b}$$の両方が$${3}$$の倍数のとき、$${a^2+b^2+2}$$は$${3}$$の倍数ではない。
$${a, b}$$の両方が$${3}$$の倍数ではないとき、$${a^2b^2+3}$$は$${3}$$の倍数ではない。
よっていずれの場合も新たに書かれる数は$${3}$$の倍数ではない。
$${a, b}$$の一方が$${3}$$の倍数で他方が$${3}$$の倍数ではないとき、
$${a^2b^2+3}$$と$${a^2+b^2+2}$$のいずれも$${3}$$の倍数になるので、
新たに書かれる数は$${3}$$の倍数となる。
よって、黒板に書かれている$${3}$$の倍数の個数は1回の操作で変化しないか2つ減るかのいずれかである。
初めに書かれている$${3}$$の倍数の個数は$${33}$$であるため、
最後に残る1つの整数は$${3}$$の倍数になる。
一方、$${a^2b^2+3}$$は$${9}$$の倍数になることはないため、
最後に残る整数は$${9}$$の倍数になりえない。
よってこれは平方数ではない。
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