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2013年 日本数学オリンピック本選 第2問 解答例
整数に対して定義され実数値をとる関数$${f}$$であって、任意の整数$${m,n}$$に対して
$${f(m) + f(n) = f(mn) + f(m+n+mn)}$$
が成り立つようなものをすべて求めよ。
考え方:
関数方程式の問題ですが、整数に限定されるのでやや毛色が違います。
$${m, n}$$に色々代入して条件を絞るという考え方は変わりません。
抜け、漏れの無いように処理すれば大きな壁は無いように思います。
解答例:
$${m=1}$$を代入すると$${f(1) = f(2n+1)}$$となるため、
$${p}$$が奇数のとき$${f(p) = c_1}$$ ($${c_1}$$は実数)とおける。
$${m=2^k, n=p}$$ ($${k}$$は正の整数,$${p}$$は奇数)を代入すると、
$${f(2^k) + f(p) = f(2^kp) + f(2^k + p +2^kp)}$$
となる。
$${2^k +p +2^kp}$$は奇数なので、$${f(p) = f(2^k+p+2^kp)}$$だから、
$${f(2^k) = f(2^kp)}$$を得る。
$${m=2, n=2^k}$$ ($${k}$$は2以上の整数)を代入すると、
$${f(2) + f(2^k) = f(2^{k+1}) + f(2 + 2^k + 2^{k+1})}$$
となる。$${f(2+2^k+2^{k+1}) = f(2)}$$だから、
$${f(2^k) = f(2^{k+1})}$$ ($${k}$$は2以上の整数)を得る。
$${m= n=2}$$を代入すると、
$${2f(2) = f(4) + f(8) =2f(4)}$$
より、$${f(2) = f(4)}$$を得る。
以上より、$${f(2^k) = f(2^{k+1})}$$ ($${k}$$は正の整数)を得る。
$${m =-1, n=2^k}$$ ($${k}$$は正の整数) を代入すると、
$${f(-1) + f(2^k) = f(-2^k) + f(-1)}$$より、
$${f(2^k) = f(-2^k)}$$($${k}$$は正の整数)を得る。
$${m =-2, n=-2}$$ を代入すると、
$${f(-2) + f(-2) = f(4) + f(0)}$$であり、
$${f(-2) = f(2) = f(4)}$$を用いると
$${f(0) = f(2)}$$を得る。
以上を合わせると、$${q}$$が偶数の時$${f(q) = f(2)}$$が示せるので、この値を$${c_2}$$とおく。
$$
f(m) = \begin{cases} c_1 (mが奇数の時)\\
c_2 (mが偶数の時) \end{cases}
$$
と書ける。
これは$${c_1, c_2}$$の値に拠らず条件式を満たす。
($${m, n}$$ともに奇数の場合、$${c_1 + c_1 = c_1 + c_1}$$となり成立。
$${m, n}$$ともに偶数の場合、$${c_2 + c_2 = c_2 + c_2}$$となり成立。
$${m, n}$$の一方が奇数、他方が偶数の場合、
$${c_1 + c_2 = c_2 + c_1}$$となり成立。)
改めて、答えは
$$
f(m) = \begin{cases} c_1 (mが奇数の時)\\
c_2 (mが偶数の時) \end{cases}
$$
ただし、$${c_1, c_2}$$は任意の実数
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