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「観客の想像力を最大限に引き出す―極限の密室劇『ギルティ』」
映画の概要
「THE GUILTY(邦題:THE GUILTY/ギルティ)」は、グスタフ・モーラー監督による2018年のデンマーク映画。第91回アカデミー賞の外国語映画賞デンマーク代表作品にも選ばれた、シンプルながらも緊張感に満ちた心理サスペンスです。物語は警察の緊急通報センターで働く元警官アスガーが、誘拐事件の通報を受けたことから始まります。舞台は通報センターの室内に限定されており、視覚情報を極力削ぎ落とした中で、音と会話のみで進行する異色の映画です。観客の想像力を掻き立てる新しい体験が魅力です。
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映画の見どころ
1. 音声だけで描かれる緊迫感
本作は、映像ではなく音で物語を伝えるという斬新なスタイルが特徴です。アスガーが通話を通じて得られる情報を頼りに事件を追う姿は、観客にも事件現場の情景や登場人物の感情を想像させます。音の使い方が絶妙で、まるで自分がその場にいるかのような錯覚を覚えます。
2. 主人公の心理描写と俳優の演技
アスガーを演じるヤコブ・セーダーグレンの演技が素晴らしい。電話越しの会話だけで緊張や焦燥感、過去のトラウマに苦しむ様子が伝わります。通報を受けるうちに、彼の内面が徐々に明かされていく脚本の巧みさにも注目です。
3. 先の読めないストーリー展開
誘拐事件として始まった物語が、予想外の方向へ進んでいきます。観客が持つ「常識」を揺さぶる展開と、最後に訪れる衝撃の結末。見終わった後、あなたも事件の真実について深く考えさせられるはずです。
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こんな人にオススメ
ミニマリスティックな演出が好きな人
限られた空間と音だけで最大限のドラマを作り出す作品が好きな方におすすめです。
心理的な駆け引きを楽しみたい人
登場人物同士の会話に隠された真実や伏線を読み解くのが好きな人にピッタリ。
「想像力」を刺激されたい人
視覚的な情報が少ない分、観る側が自分の頭の中でストーリーやキャラクターを補完する楽しみがあります。
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まとめ
グスタフ・モーラー監督の「THE GUILTY」は、音と演技だけでスリルを生み出す新感覚のサスペンス映画です。観客自身の想像力が試され、ただ観るだけではなく「参加する」映画体験が得られます。シンプルな設定ながらも、深いテーマ性と鮮烈な印象を残す作品。静かに心を掻き乱される、極上の心理サスペンスをぜひ堪能してください。