日記｜鯛めし

旬なので鯛が安い。業務スーパーで大きなあらが二匹分四〇〇円弱で買える。粗煮にしても良いけどせっかくなのであっさりした鯛めしにしてみた。下茹でして出汁とって昆布と一緒に炊く。茹でた身は面倒だけどほぐして、炊き上がったご飯に混ぜ込む。初めて作ったけどよくできた、出汁がまだたっぷりあるのでまた作れる、今度は切り身を買ってきて、焼いた鯛を混ぜ込んでみるつもりにしている。薬味は三つ葉がなかったので柚子胡椒を添えてみた。

春先の食卓がいちばん好きかもしれない。野菜は菜の花みたいにちょっと苦味のあるものが多くて、豆類も元気があって、新じゃがも小さくてかわいらしい。いちごも安くなるし。

料理、面倒だと思う日もあることはあるけど、基本的に好きだし自分自身が自分の料理のファンなのであまり苦にならない。ビール飲みながら何かしらその日のあてを作る、これができていれば人生どん底のような時でも何とかなる気がする。

思えばかつての恋人たちとも今の夫とも一緒に料理をしたことがない。一人暮らしの頃はキッチンが一口コンロで狭かったし、結婚してからの夫は忙しすぎて食器洗い以外では年に一度もキッチンに立たない。こんなはずじゃなかったんだけどな。突然人生の歯車が狂って若い恋人でもできたらキッチンで飲みながら料理がしたいなぁとたまに夢想する。ポテサラのポテトをなめらかにつぶしたりもやしの根を丁寧に取れる人であれば良い。で朝は先に起きてしじみ汁でも拵えてほしい。はぁ。来世ではきっと実現したい。