河野宏子(こうのひろこ)

詩人 / poet / 시인

河野宏子(こうのひろこ)

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マガジン

  • 河野宏子 過去の作品

    詩集を作るにあたって、過去の作品をこちらにまとめていきます。 古いものだと、もう15年ぐらい前の作品もあり少し恥ずかしいですが 今は(照れ臭くて)書けないものもあります。若かったんだなぁ。

最近の記事

日記|不問律のまわり

100田やマツモト氏の話でむかついたついでに。 昔から不問律をあえて口に出すやつが嫌いだ。 「みんな共有してるけど言ってない暗黙の了解」 のグレーゾーンの中に、詩がある。 なのにそれを無視して、 「そもそも、みんなが真理すぎて残酷だから わざわざ言葉にせず守っている沈黙」を 勝手にはっきり言語化して喋くって 僕って頭いいでしょ、 みたいな顔してるやつ。 例えば、○ームラボの代表さんだったかが 「可愛い子の方が幸せになる。それって真理でしょ?」 とテレビに向かって行ったこと

    • 詩|明日のパン

      おはよう 4500年ぶりのあした 時給1,000円 休憩なしで アルバイトを8時間こき使う バス通りのGooチョキパン店は アニメの素敵なパン屋さんとは全く別次元の 悪徳パン屋だった 午後まで働いて はっせんえん足らず ブルースにもならない 悲しい労働 スライスに失敗して買い取りになった サンドウィッチ用食パン これに昨日の残りのコロッケを挟んで 遅めの昼ごはんにした ソファにもたれ うとうとしながら  耳はラジオのニュースを追う あれは戦争が始まる前、 感染症が世界

      • 日記|肉だんご

        思うように状況を変えられなくて、へとへとになってしまう時、 味噌汁にたくさん肉だんごを入れる。冷凍のやつ。 だしを吸って柔らかくふわふわしてくる肉だんごを見ているだけで わりと元気が出る。単純な人間でよかった、と思う。 もち麦のご飯とおかず2、3品を作っておいてくれた 昨日の自分に感謝をしつついただく。 にんじんしりしりも、鯖の梅おろし煮も、ポテサラも美味しい。 しりしりのにんじんは有機栽培の立派なやつで、 皮をさきょう(カタツムリ)にやると夢中で食べている。 そうそう

        • 日記|女さん

          その人は今日も100均のお弁当箱を開けるのだった 丁寧に焼いた卵焼きと 大きめの鶏の唐揚げ プチトマト きゅうりの入ったちくわ 美味しそうですね、と言うと 朝からオレが自分で揚げてん。と得意げなので すごいです、わたしなんかハンバーグ冷凍ですよー お恥ずかしいと自分さげをする (他のおかずは手製だ) 同年代の彼は ずっと非正規で働いている フリマアプリで小遣いを稼ぎ  音楽にお金を払うのが惜しいから YouTubeに上がってるパチモンのやつを聴く でも推してるアイドルには

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        • 河野宏子 過去の作品
          7本

        記事

          素描|カタツムリのさきょうさん②

          小松菜にくっついて我が家にやってきたカタツムリの兄妹、「さきょう」と「なな」を家で飼育することになった。 くっついてきた小松菜はナムルにしてしまったので冷蔵庫にあったレタスをやってみるとよく食べた。翌日はキャベツをやったら、固くて好みでなかったのかほとんど食べなかった。小松菜でも葉先にいたぐらいだから、あの芯より固いものは好きじゃないのかもしれない。にんじんの皮を食べた日は糞がにんじんの色だった。 あげた餌を食べてくれると、だんだん情が湧いてきてしまう。食卓の上に小さな生き

          素描|カタツムリのさきょうさん②

          素描|カタツムリのさきょうさん①

          夏のある朝、少し萎びた小松菜をナムルにしてしまおうと根元を落とし、水で洗って、茎の硬い部分をざくざくと切って電子レンジにかけた。葉先の部分も水洗いして……と一枚ずつめくっていたら、小指の先ほどの石のようなものが付いていた。 カタツムリだった。 驚いて、そして少し気持ち悪くて、葉から引き剥がすように菜箸で摘んで小皿に乗せた。にょき〜、っと角を出してあたりを伺っている。残りの葉を再び洗っていると、流しを動く何かがいて、もう一匹のカタツムリだった。そちらはさらに小さめで、小指の

          素描|カタツムリのさきょうさん①

          素描|セッション

          (今日は細切れの予定に一日を分割されているので、 1、2時間ずつ空白の時間がある。 長い詩を書いたり、映画を観に行くには短い時間。 家事は大方やってしまったので 素描をする これもリハビリだ) 動けない、落ち込んでいるとかばかり言ってられないなと思い 「そうや、音楽の人とセッションをしよう」と 意識に浮かんだ古い友達に連絡をとった。 友人の家にはスタジオ的なお部屋があって、 上のフロアでは奥様の友人家族がホームパーティーをしていた (つまりホームパーティーの日に押しかけた

          日記|神棚のない日々

          玄関の工事が入るので家にいる。 上り口になんとなく置いていたシーサーを洗おうと洗面台にいくと 水滴の中で小虫が溺れかけていた。助けないし、とどめも刺さず眺める。 悪趣味だと思う。その直後に、悪趣味で何が悪い、と思う。 シーサーは水洗いして乾いたきれいな布で拭いた。 口が開いている方のオスのシーサーにお酒を含ませ、 口を閉じたメスのシーサーを左、オスを右に対になるように置いて 柏手を打つと目が醒めるという。 沖縄の親類が送ってくれたオレンジ色の可愛らしいシーサー。 水難や火

          日記|神棚のない日々

          パンのおかわり

          11月7日(木)「明日のパン おかわり」 @阿佐ヶ谷mogumogu 杉並区阿佐谷南1-36-15マガザン阿佐ヶ谷3F 入場料2,000円+ドリンク代 第一部 オープンマイク 1人5分、事前エントリー優先 音源・楽器の使用はセッティングに時間のかからないものならOK 第二部 ライブ 出演:河野宏子+伊奈昌宏(台風クラブ)/山本恭子+馬野ミキ/今村左悶 8月にほぼ同じ顔ぶれ・タイトルで開催したのですが まさかの主催者であるわたしが体調不良で出演できず あんまりにも悔しかったの

          ポエトリー・ナイトフライト

          ツイッターではお伝えしていましたが、 改めまして この度、京都のポエトリースラムイベント、 「ポエトリー・ナイトフライト」の 主催者およびMCを継ぐことになりました。 始めたchoriがいなくなって、ただでさえ寂しいのに  この時間場所までなくなったら寂しいやん? 引き継ぎたいと申し出た理由はいくつもある 一番大きな理由は、ポエトリースラムが好きだから。 勝ち負けがかかった時にだけ生まれる、 息をのむ一瞬が好きです。 ゲームじゃん、と遊び感覚で来てくれてもいいし

          ポエトリー・ナイトフライト

          ありふれた、いのちのかがや記

          食卓の上で飼育していたカタツムリ大小の小のほう(ななと呼んでいた)がしんで、落ち込んでいたら、数日前、容器の中に卵のようなつぶつぶを発見した。カタツムリ大の、”さきょう”が出した何か。夫は糞ではないかというけど、これまで世話してきてこのような形状の糞は見ていないので卵ではないかと思っている。容器を洗う際にうっかり流してしまわないように別の場所に避けておく。 特急電車に乗っていたら、目的地に着くまでの20分ほど、ずっと赤ん坊がこちらを見てニコニコ笑っていた。大袈裟に目を見開い

          ありふれた、いのちのかがや記

          疑心庵日記

          本当についてないというか、ろくなことがない日々が続いている。 友人が亡くなり、夫が倒れ(一応復帰しています)、諸事情あって推し活を休むことになり、仕事は増え、休みは減り、白髪が増えた。家庭内は、なんかずっとギスギスしている。友人の残した仕事もできれば引き継ぎたい……けど力不足は明白だし同じようにできないのはわかってる。加えて所属しているダンスチームの中で経験者と練習時間のたっぷりある若者に追い越されとうとうビリになってしまい(これは落ち込みを理由に練習を減らしていたので自業自

          説明の難しい感情

          唐突だけど、子どもが生まれてから、 子どもが酷い目に遭うだろう作品はなるべく観るのを避けている。 もうわかっているもの(火垂るの墓など)は繰り返し見ない。 どんなに良い作品だとしても、しんどい。 ただただ、自分の弱さゆえ。 フィクションならなんとか大丈夫だけど、 それでも、鑑賞時に味わう苦しさが 母親になる前とでは雲泥の差だ。 それと似たような感じで、この数週間は アルコールに溺れる人を表層の、切り取られた ほんのいち部分としてでも見るのがつらい。 しょうがないなぁこの人

          深呼吸日記

          はぁ、碌でもないことばかりなので、日記を。 友人が亡くなって、悲しい中であれこれ動いていたけど進まず振るわず、そうすると呼吸は浅くなり、寝てもすぐに目が覚めてしまう。ひととぶつかりがちになり、慢性的に頭痛もする。さらに今日は夕飯を支度していたら突然電話があり夫がバスの中で倒れた(?)となって、慌てて病院に行き、夕飯は用意していた鶏胸肉のピカタではなく病院の長椅子で間に合わせに買ったコンビニおにぎりを食べることになってしまった。今ようやく自分の部屋に帰ってきたところ。緩んだ途端

          底の蓋

          世間話からの流れで、 「友人が亡くなって」と話したら、 忙しくして遠ざけていた感情が どっと押し寄せてきた。 “どん底やと思てたら、蓋があったんですわ” 昨日なにかで目にした台詞が そのまんま当てはまる気持ち。 お酒を飲まないでいるのは、 飲んだところで悪い方にしか向かわないから。 逃げず誤魔化さず、 正面から受け止めて越えていくしかない。 これ以上落ちたくないよ

          抒情詩の惑星の連載が更新されました

          今回は詩について書いてます。感想聞かせてもらえたら嬉しいです 近況: ツイッターお休み中。飲酒お休み中。 ずっと考えてること。 お酒が好きなのはいい、わたしも大好きだし でもそれが引き返せなくなってしまったとき そうしてでもあの人は生きようとしてくれた、とか その生き方を本人が決めたから、とか 確かにそれはそうなんだけど わたしは悲しいし、ただわたしは悲しい。 本人に言わせりゃ知るかよバーカ、なのかもしれない。 でもあなたが生き方を決めるのと同じく わたしにも悲しんだり

          抒情詩の惑星の連載が更新されました