見出し画像

サブスクならではの拠点としての可能性 / SANU 2nd Home レビュー

興味関心があったり、自分の仕事でも関係する分野のサービスを利用してみて、そこで得た気づきを「作り手・利用者」双方にシェアしていこうと思い書き始めてみるこのシリーズ。まずは第一弾。

今回は『SANU』というサブスク型のセカンドホームのサービスを利用してみての話。ずっとあったらいいなと思っていたセカンドホームのサブスク。あったらいいな、でもいろいろと難しいよな、、と想像して尻込みしていたからこそ、今の運営の皆さんをほんとすごいと思うし、日々良いものになっていくサービスを、創る側としても、1ユーザーとしても、楽しみと学びをもって体験させていただいている。

なので今回はそのシェアです。細かいレビュー記事としてではなく、サービス作る側や観光業に携わられてる人たちになにか良いシェアになれば、なんて思いながら書いてみます。

SANU 2nd Home
「Live with nature. / 自然と共に生きる。」をコンセプトに、月額5.5万円で、自然の中にもう一つの家を持つセカンドホーム・サブスクリプションサービス。今現在は、「白樺湖」「八ヶ岳」「山中湖」「河口湖」「北軽井沢」の計5箇所、50棟のキャビンがあります。
https://2ndhome.sa-nu.com/

0. ぼくらの使い方

まず、ぼくらの使い方は、都内から週末金土日の2泊利用がメイン。利用開始は4月末ごろ、当時2ヶ月を過ぎた息子とはじめての遠出で訪れました。それから現在6回ほど各地のキャビン使わせていただいています。平日のワーケーション利用も本当は魅力的で、朝起きて自然の中へ、軽い登山やハイキング、湖遊びや川釣りなんかを楽しんで、そこから1日の仕事を始めるようなスタイルをされている方もいるよう。ぼくは子どもも小さいので、どちらかというと家族とのお出かけの拠点的な使い方。週末を中心に、仕事や考えの整理の時間を確保しながらも、SANUを拠点に日中はみなで出かけて、自然や近くの町でオフを楽しんでいる。


1. 自然との距離感

よく山や島、湖とかでテント泊するのが好きで出かけていたのですが、その理由は自然との距離。 テントから一歩出たらもう自然の中。夜明け前の空気感、朝日に照らされる山々、流れる雲に、山の向こうに沈んでいく夕陽、満点の星空、、、テントから出たらそれが目の前にある、これがとてもワクワクするし、心地よく。

ホテルや宿だとここまでサクッとはいかない。外に出るまでに廊下、ラウンジ、ゲート、、さらに海や景色の良い開けたところまで、、、となると自然との距離はちょっと遠い。立地のいい場所だと、バルコニーから素晴らしい景色を楽しむことができるけど、それは"眺める"であって、自然の中で五感で味わうような感覚とは少し違う。一歩外に出たら自然があってくれるのは、自分にとっては本当に心地の良い体験。

自分が今まで経験した宿泊施設でのこの感覚の最上位は、Amangiri。ホテル全体がもう自然のど真ん中にある。それでいて極上のホスピタリティのもと過ごせるから、もうそれは最高に贅沢でした。

こちらはAmangiri
このように砂漠の真ん中に
どこも絶景。自然のど真ん中。

サービスのタイプも規模も価格もちろん違うし、あの開放感とスケール感は圧倒的ですが、体験としては根底に通ずるものがもしかしたらSANUにもあるのかも、、なんて感じています。物理的にも感覚的にも、余計な隔たりがなく、シームレスに自然とつながろうとする点で、この設計やデザインは、実際に体感してみて、ほんとにステキだなと思います。


2. サブスクモデルならではの拠点としての可能性

もうひとつはサブスクモデルであることで生まれる拠点としての可能性。ホテルを拠点としたその地での滞在とは、異なる感覚や楽しみ方を持ち始めたのでそのことについて。

次があることで変わる旅先での過ごし方

天気や時間の関係で、予定の変更を余儀なくされることは旅先では誰もが経験したことあると思いますが、それで旅の楽しみにけっこう大きく影響しますよね。損した気になったり、そのせいで機嫌悪くなったり、焦ってまわって楽しさ半減してしまったり。

それが、”次がある”と思えることで少し余裕がうまれ、緩和される。イライラや損したなとかって気持ちがなくなり、出かけ先での時間の純度を高め、心地よい時間にしてくれる。その感覚がトータルの体験の満足度に大きく影響することを知る。別荘的感覚が大きいかもですが、それをこのサービスを通して実感できたのは良かったです。


お金の使い方の変化

また、今度はそうして生まれた余裕が、その土地をより楽しむ時間を生んでくれる。具体的には、道の駅や地元のスーパーに寄ったりお酒を買ったり。あとはパンやケーキなんかをテイクアウトしたり、出先で出会った本を拠点に戻ってゆっくり楽しむなんてことも。普通の旅行では、メインイベントになりにくいその地での楽しみ方にもフォーカスしていけるようになる。非日常の中で行う日常みたいな感じ。

観光面でもこれは価値あるものになりそうで、僕ら自身、旅先でのお金の使い方が変わった。つかいどころが増える感じ。いわゆる観光地やレジャー施設ではない、より街やその地の生活に近いところでお金が回るようになるイメージ。別荘利用でも同じことが言えるかもだけど、シェア型の2ndホームだとその頻度や回転率が全然違うから、年中ほぼ毎日利用される訳だし、その点でもその地に与える影響というのは大きそうだなと感じる。


あとは、、このあたり。

  • サブスクモデルだから連泊しやすく、2泊以上することで生まれる丸一日楽しめる中日が、満喫するのにとても有意義で充実したものにしてくれる。

  • 同じ型で作られてるというのもあるからか、だんだんと訪れるたびに、ただいまという感覚になってくる。それは異なる拠点だとしても。その感覚も心地よい。

  • 行動範囲の広がり。拠点を持つことで、日帰りでは遠いし、わざわざホテルをとってまでいくか、、というラインで諦めた楽しみができる。それは距離的な問題もそうだし、早朝からの登山なんかも。


3. 自然を楽しみ、環境を考える

最後にちょっと異なる視点で、、、環境や地球の未来についても。

自然を楽しむ機会が増えて身近になったのか、今の環境問題が少しずつ自分ごと化されてきてることに気づく。ちょうど関わらせてもらってるプロジェクトの影響もあって、きっといろんなタイミングが重なったのもあるとは思うけど。でもこのサービスを通した経験は、少なくとも自分と自然との繋がりを強め、環境を考えるきっかけを与えてくれていると感じる。

体感を持ってを得た気づきは大きい。そうしたきっかけを与えられるサービスを生み出すために日々思考する仕事だから、その難しさや大変さは痛感している。その点でも良いサービスに出会わせてもらえたと思っています。

あとは、自分自身それをきっかけで終わらせず、どんな些細なアクションでもいい、実行につなげて行こう。何か1つでも具体的なアクションに取り組めると、いろんなことの視点が変わっていくし。

特にこうした問題は、一つのことで大きな結果を求めるのではなく、1つなにか実行することで生まれる視野の変化や、小さなアクションの連鎖に価値があるように最近感じる。そうしたアクションの連鎖が、1年、2年、5年、10年と継続した時に、大きな変化になっていくのかなと。

今後自分でもものづくりやサービスを作っていく上でも、こうしたポイントは大事にしていきたい。自然っていいなって、自分の中の気持ちよさや充実さで満足するのではなく、その先の、どうしたらこれが継続したものになるか、これからも楽しんでいくためには自分はなにができるかなって考えたり、楽しいで生まれたエネルギーが地球や子どもたちにとってよりポジティブなものになって巡っていく、そんな仕組みや設計を考えていきたい。

SANUというサービス自体は贅沢な部類のものと思う。けど、今までなかったサービスだし、旅や観光、アクティビティとか、出かけること自体の新たな価値観や楽しみ方をどんどん広げてくれるものだと感じています。ここで得た気づきや経験には、いろんなヒントがあると思うので、僕自身、自分の私生活でも仕事でもいろんなところに生かしていきたいと思います。また継続していく中で気づきがあればシェアさせていただきますね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?