子猫物語 出会い篇
猫を飼っている。
正確には、飼っていた。
茶トラのオスで、あの迷作「子猫物語」から名前を取って
チャトラン
と言う。
出会いは、東京で一人暮らしをしていた15年前。
「玄関で猫の鳴き声がするな。」と、思って、ドアを開けたら、
チャトランは小さく丸まって鳴いていた。
「お腹が空いているのかな?」と、思い
家には何もなかったが、レトルトのおかゆがあったので、
試しにあげてみたら、ガツガツ食べた。
近所のスーパーで猫砂とキャットフードを買い、
チャトランとの半同棲が始まったのである。
まだ子猫だったので、膝の上にも乗ってきたし、ビニール袋でも狂ったように遊んだ。
家にずっといることもあったが、外に出たい時は、出してあげた。
「ご飯だよ。」と、呼ぶと帰ってきた。
2日程帰って来ないこともあったが、
しれっと帰ってきて、一緒の布団で寝る生活をしていた。
だが、そんな幸せな生活も長くは続かなかった。
異変が起こったのである。
帰郷篇に続く。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートよろしくお願いします。